目の下のくま(クマ)は病気の兆候??医師がわかりやすく解説
巷では、目の下のくま(クマ)と病気が関係あるかのように言われていたりします。
実際は、病気と直接関係あるクマはほとんどありません。
ですが一部、目の下のくま(クマ)と「関連が深いもの」がいくつかあります。
今回は本当にクマと関連が深い病気をご紹介します。
1. クマと関係が深い病気
◯バセドウ病
バセドウ病の症状の一種に眼球突出という症状があります。
眼球突出の初期症状で、クマが出現することがあります。
バセドウ病になると、目の周りの筋肉(外眼筋)と目の周りの脂肪(眼窩脂肪)増加します。
初期では、目の下の脂肪(眼窩脂肪)が出てきて、それがクマ(黒クマ)に見えることがあります。
【西川のクリニックでの話】
西川のクリニックでも、「目の下のふくらみが気になる」とご相談にいらっしゃるバセドウ病の方はかなり多いです。
西川は、以下の場合のみ、目の下のふくらみ(脂肪)をとる治療をご案内します。
①バセドウ病が安定している
②眼窩脂肪(目の下のふくらみの原因)を取ることが、クマを改善する為に必要な場合
バセドウ病の方の中には、バセドウ病の治療のみで、クマがよくなる方もいます。
その為、「バセドウ病だと医師に言われたけど、治療はしていない」という方が目の下のふくらみ取りの相談に来院した場合は、バセドウ病治療を優先するようご説明したいます。
◯ADM・SDM(シミ・アザの一種)
ADM(エーディーエム)・SDM(エスディーエム)はシミやアザの一種です。(シミやアザにも種類が様々あります。)
ADM・SDMは基本的には同じものだと思っていただいて概ねOKです。
ADM・SDMは、真皮(皮膚を構成している場所の1つ。コラーゲンやエラスチンが多く存在している場所)にメラニンが増えてしまう状態です。
これらのシミ・アザの治療は医療機関での治療が必要です。スキンケアや、生活改善で大幅な改善は難しい症状の1つです。
ADM: Acquired Dermal Melanocytosis 後天性真皮メラノサイトーシス
SDM: Symmetrical Dermal Melanocytosis 対称性真皮メラノサイトーシス
2. クマと直接の関連は薄いけれども、クマができる病気
◯癌(ガン)・糖尿病など大病
いわゆる大病といわれる病気にかかると、病気が原因で痩せたり、皮膚がたるむことが多いです。
痩せた結果、頬骨の一部「ゴルゴライン」が深くなり、クマが目立ちます。
※ゴルゴラインとはこの部分のことです。
ちなみに、ゴルゴラインは、病気と関係なく痩せても深くなります。そしてクマが目立つようになります。
【西川のクリニックでの話】
西川のクリニックで、よく「ダイエットをがんばったら、クマが目立つようになりました」と訪れる方が多くいらっしゃいます。
ちなみに、「本当によく耳にする「目の下のクマあるあるTOP3」をご紹介します。
◯電車の窓に映った自分の目の下のクマがすごかった!!
◯ダイエットを頑張ったら、友達に「なんかやつれた?疲れてる?」と聞かれた。
◯よく寝て出勤したのに「昨日寝ていないの?」と心配される。
1つでもご自分が経験したことがある項目があれば、一度ご相談にいらしてください。
◯貧血
体内の血血の量が一定量減ると、顔全体が血色不良になり、青白くなります。
その状態だと、クマも目立ちます。
ただ、クマよりも顔面蒼白な方が気になるケースが多いと思います。
◯肝機能低下
肝機能が著しく低下すると、黄疸(おうたん)という症状が出ます。
黄疸とは、肝機能低下により、皮膚が黄色くなる状態ことです。
また、黄色くなるのは皮膚だけではなく、眼球の白目部分も黄色くなります。
黄疸になると、皮膚のトーンが下がり、クマが目立つようになることがあります。
この状態では、クマよりも白目の黄色さの方が目立つので、そちらのほうが気になるでしょう。
◯花粉症
花粉症で目が痒くなり、目をこすってしまうことはありませんか?
目の下までこすることで、目の下の皮膚が茶色く色素沈着してしまうことがあります。
◯その他
腎機能低下・うつ病・低血圧などクマの原因に挙げられていることもありますが、あまり関係ありません。
監修医師
西川嘉一
Hirokazu Nishikawa
目の下のクマ・ニキビ・美肌の専門家。美容皮膚科医。東京大学医学部卒業。
クマ治療など、手がけた美容の症例は1万件を超えている。
大手美容クリニック銀座院の院長を経て、2017年『Acne Studio(アクネスタジオ)』を開院。
現在、渋谷・梅田の2院で、クマ治療やニキビ治療に取り組んでいる。
- 監修医師プロフィール
- 『Acnestudio』統括院長 アクネスタジオ公式サイト
- 『ニキビLabo』監修医師 ニキビ情報サイト ニキビLabo