目の下のくま(クマ)に効くアイクリームってあるの?美容皮膚科医が解説
老けて見えたり、疲れて見える目の下のくま(クマ)。
そんな目の下のくま(クマ)を手軽に家でケアできるアイクリームを買おうとお店に行くと、種類が多くて迷ってしまいますよね。
また、目の下のくま(クマ)の種類によって、選ぶべきアイクリームの成分が異なります。
目の下のくま(クマ)の種類と合うアイクリームの成分を詳しく解説していきます。
Index
1.青クマに効果的なアイクリーム
そもそも、青クマの原因は何でしょう。
青クマは、目の下の皮膚が薄く、皮膚の下の筋肉の色が透けて見えることと目の下の筋肉(眼輪筋)の血流が悪く色が暗くなっていることが原因です。
もともと皮膚が薄い人は10代でも青クマがみられます。
特に皮膚の色が白めの方も、色も薄く皮膚が薄い傾向が高いため、青クマが発生しやすいです。
また、年齢を重ねることで皮膚は薄くなっていくので、年齢とともに青クマが出現する人もいます。
寒いと血流が悪くなるので、冬に悪化するのも青クマの特徴です。
青クマに有効なアイクリームの成分
青クマは、「皮膚のコラーゲンを増やす」ことが有効です。
皮膚が薄く、筋肉がすけて見えることが青クマの一因なので、皮膚のコラーゲンを増やし、皮膚の厚みをますことで、青クマが目立ちにくくなります。
「コラーゲンを増やす」ってことは、コラーゲン配合のアイクリームを買えば良いの?と思われるかもしれません。
実は、よく市販されている「コラーゲン配合化粧品」は、お肌の上にコラーゲンをのせることによる保湿効果しかなく、お肌の奥の真皮層でコラーゲンを増やす効果はありません。
そのため、以下で紹介する真皮層のコラーゲンを増強する機能をもった成分が、配合されているクリームを選ぶようにしましょう。
○FGF(線維芽細胞増殖因子)
FGF(線維芽細胞増殖因子)は、真皮層のコラーゲンを増強してくれる成分です。
コラーゲン、エラスチン、ヒアルロン酸など、お肌の弾力を保つ働きをしている成分を増やす成長因子です。
化粧品の成分表示でFGFは「ヒトオリゴペプチド-13」と記されています。
最近では多くの化粧品に「コラーゲン」「エラスチン」「ヒアルロン酸」が含まれていますが、これらの成分はもともと人のお肌の「真皮層」の線維芽細胞で生成されています。
年齢を重ねるとこれらの分泌量が減少し、お肌の老化を引き起こす原因になります。
お肌の真皮にある線維芽細胞を活性化させるFGFは、お肌のハリや保水力を正常に機能するようにコントロールします。
※ちなみに、飲むコラーゲンサプリの服用は目の下のくま(クマ)には効果が期待できません。
○レチノール誘導体
レチノール誘導体とは、ビタミンAにパルミチン酸(ヤシ油や牛脂などに含まれている成分)を結合させた物質のことです。
パルミチン酸とレチノールが結合すとレチノール誘導体となり、「繊維細胞のコラーゲンを増やす」作用で肌の奥の弾力・保水力のアップ、美容液のなどの浸透力がアップします。
他にも、お肌の新陳代謝を活発化や、ターンオーバーを正常に保持し、お肌のコンディションを整える作用があります。
また、硬くなった角層を柔らかくする医薬品として使用されており、毛穴のつまりにも効果のある有効成分です。
【番外編】アイクリーム以外の、青くま(クマ)の解消法
目の周りのツボを押して、血行促進マッサージ
目の周りの血流を促すことで、目の下の滞った血液が流れ、クマの改善につながります。
人差し指・中指・薬指の3本で、上顎骨と頬骨のフチに沿うように目元をやさしく押します。
これを10回繰り返しましょう。
やさしく気持ち良いと感じる程度の強さがベストです。刺激を与えすぎると、色素沈着の原因となります。
○蒸しタオルで血行促進
蒸しタオルを使用したホットパックは、目の下の青クマを解消する方法としてとても手軽で簡単です。
以下で効果的な方法をご紹介していきますので、是非トライしてみてください。
(※温める時間などは目安です。ご使用の電子レンジによって多少異なります。何度か試して自分にあった温度をみつけましょう。くれぐれも火傷には十分気をつけてください)
1.タオルを水でぬらして軽くしぼます。30秒~1分くらい電子レンジで加熱します。 2.蒸しタオルを目元にのせ、5分間リラックスしましょう。 3.蒸しタオルの後、冷蔵庫や氷水につけて冷やした冷たいタオルを目の上に乗せ、温→冷→温・・・と交互に2~3回繰り返しましょう。 |
目元がすっきりとして血行促進だけでなく、ドライアイや疲れ目のケアもできます。
○しっかりと睡眠をとる
ストレスや睡眠不足も青クマの原因です。
まずは十分な睡眠の確保して、マッサージや蒸しタオルなどをトライしてみてはいかがでしょうか?
2.茶クマに効果的なアイクリーム
茶クマの原因はメラニン!
茶色は皮膚の色素であるメラニンの色です。
メラニンは日焼けなどによっても増えますが、目の周りだけ増えるのは、2つの原因が多いです。
・メイクや洗顔などによる刺激
・ADM/SDM(後天性/対称性真皮メラノサイトーシス)
目周りは皮膚が薄いエリアで、メイクや洗顔などの刺激で色素沈着しやすい場所です。
花粉症などでよくこすってしまう人も目周りに色素沈着が起きやすいです。
刺激による色素沈着は、単純に刺激をなくせば時間とともに薄くなります。
茶クマに有効なアイクリームの成分
茶クマは、紫外線から受けるダメージや、乾燥やメイク・洗顔時に過剰にこすりすぎることによる、色素沈着が原因です。
メラニン色素なので、メラニンの還元と排出を促してくれる美白成分が配合されたアイクリームがおすすめです。
○セラミド
茶クマができてしまっている目の下の皮膚の多くは、バリア機能が弱まっています。
バリア機能を回復するには、角質層の吸水力と保湿力をアップさせる成分であるセラミドが、有効です。
セラミドにはヒト型セラミド、天然セラミド、植物性セラミド、合成セラミドの4種類があります。
その中でももっともおすすめなのは、私たち人間のセラミドとほぼ同じ「ヒト型セラミド」です。
また、セラミドの濃度も重要です。
セラミド含有の乳液であっても、セラミドの量が少なすぎると効果を実感できません。
セラミド含有を謳っていても、ほんの少ししかセラミドが入っていない基礎化粧品がたくさんありますのでご注意ください。
「高濃度」の「ヒト型セラミド」が入ったものを選んで保湿をし、目元に透明感と明るさを取り入れましょう。
○ビタミンC
茶クマの原因である色素沈着は、皮膚にメラニン色素が残っている状態です。
紫外線やメイクを落とすときに生じる摩擦、またターンオーバーの乱れなどが原因で皮膚にメラニン色素が残り、茶クマとなります。
ビタミンCにはメラニン色素の生成を防ぐ働きがあることに加え、すでにできてしまっているメラニン色素を薄くする還元作用もあるため、色素沈着が原因の茶クマには有効です。
ビタミンC配合のクリームを選ぶ際に注意したいポイントとしては、「ビタミンC」ではなく、「ビタミンC誘導体」を配合のものを選びましょう。
ビタミンCは肌の角質層まで浸透しないという性質がありますが、ビタミンC誘導体は浸透するように改良されたものです。
また、ビタミンCにはコラーゲンを増やす作用があります。
青クマで悩んでいる人にもおススメです。
○ハイドロキノン
ハイドロキノンは、できてしまったメラニン色素を淡色化=漂白できる強い成分と言われています。
効果は高いのですが、使用方法を誤るとかえって茶クマを増やすことになり余計に目立つようになることもあります。
ハイドロキノンは酸化しやすく、酸化するとお肌に強い刺激があります。
わずかな酸化も強い刺激になってしまう肌質の人もいますので、扱いには十分注意してください。
【番外編】アイクリーム以外の、茶くま(クマ)の解消法
○正しい目元のクレンジング
ばっちりアイメイクをした後って、落とすのが一苦労でついゴシゴシこすってしまったり、きちんと落としきれないままそのまま放置してしまいがちですよね。
しかし、それが積み重なると色素沈着に陥り茶クマの原因となります。
そこでオススメなのが、アイメイク専用のリムーバーを使用して落とすことです。
一番安心なのは、使用しているメイクアイテムと同じメーカーのものを使うことです。
メイクアイテムとの相性が合っていないと、アイメイク専用リムーバーを使用してもかえって目元の皮膚やまつ毛に負担をかけたり、落とし残してしまう可能性があるためです。
正しい目元のクレンジング方法をピックアップしてご紹介しますので、ぜひ参考にしてください。
・コットンにたっぷりとリムーバーを染み込ませる。(裏面までひたひたになるくらいがベスト) ・まぶたにコットンをのせ、優しく10秒ほどおさえて待つ ・まつ毛を傷つけないように、優しくコットンで挟みながら拭き取る(コットンは片目1枚のペースで使用しましょう) ・綿棒にリムーバーを染み込ませ、コットンを2つ折りにして目の下にあてる ・目を閉じて先程の綿棒で残ったマスカラを落とし、コットンで汚れをキャッチする。これを数回繰り返す(綿棒が黒くなったら新しい綿棒に変えましょう) ・のこったアイラインを、リムーバーを染み込ませた綿棒でおとす |
○紫外線対策
UV対策をしていないと、有害な紫外線から身を守るために、表皮にあるメラノサイトという細胞でメラニン色素がどんどん作られます。
また、ターンオーバーの乱れなどが原因でメラニン色素が肌に残り、茶クマになります。
茶クマ対策にはしっかりとしたUVケアが大切です。
紫外線を防ぐUVケア剤は、2種類あります。
・紫外線散乱剤:お肌の上にのせたケア剤が紫外線を反射させる
・紫外線吸収剤:紫外線を吸収する
「紫外線吸収剤」は、効果が高いのですが、お肌に負担がかかります。
目の下はデリケートで皮膚の薄いです。紫外線吸収剤でお肌が荒れてしまう方は、お肌への負担が少ない紫外線散乱剤タイプを選びましょう。
3.赤クマに効くアイクリーム
そもそも赤クマの原因はなんでしょう?
・血行不良。
・目の酷使。(スマホ・PC)
青クマが静脈のうっ血に対して、赤クマは動脈の充血です。(うっ血も充血も血液がたまることですが、静脈に対してはうっ血といい、動脈に対しては充血といいます)
血液が滞り赤く見えることが原因と言えます。
赤くま(クマ)に有効な成分
赤クマは、目の下の血行不良・疲れ目が原因です。
まずは「血行を促進」するケアをしましょう。
○FGF(線維芽細胞増殖因子)
FGF(線維芽細胞増殖因子)は、真皮層のコラーゲンを増強してくれる成分です。
コラーゲン、エラスチン、ヒアルロン酸など、お肌の弾力を保つ働きをしている成分を増やす成長因子です。
化粧品の成分表示でFGFは「ヒトオリゴペプチド-13」と記されています。
最近では多くの化粧品に「コラーゲン」「エラスチン」「ヒアルロン酸」が含まれていますが、これらの成分はもともと人のお肌の「真皮層」の線維芽細胞で生成されています。
年齢を重ねるとこれらの分泌量が減少し、お肌の老化を引き起こす原因になります。
お肌の真皮にある線維芽細胞を活性化させるFGFは、お肌のハリや保水力を正常に機能するようにコントロールします。
※ちなみに、飲むコラーゲンサプリの服用は目の下のくま(クマ)には効果が期待できません。
○レチノール誘導体
レチノール誘導体とは、ビタミンAにパルミチン酸(ヤシ油や牛脂などに含まれている成分)を結合させた物質のことです。
パルミチン酸とレチノールが結合すとレチノール誘導体となり、「繊維細胞のコラーゲンを増やす」作用で肌の奥の弾力・保水力のアップ、美容液のなどの浸透力がアップします。
他にも、お肌の新陳代謝を活発化や、ターンオーバーを正常に保持し、お肌のコンディションを整える作用があります。
また、硬くなった角層を柔らかくする医薬品として使用されており、毛穴のつまりにも効果のある有効成分です。
【番外編】アイクリーム以外の、赤クマの解消法
○目の負担を軽減する
パソコンやスマホの画面を長時間集中して見続けることは避けましょう。
1時間に1度は目を休める時間を作りましょう。
仕事中はパソコン用メガネを仕様するなどして目の負担を減らすことも効果的です。
4.黒クマに効くアイクリーム
別名「影くま」とも言われます。
そもそも黒クマの原因はなんでしょう?
黒クマ(影クマ)の正体は、実は「皮膚についた色」ではなく「目の下にできた影」です。
多くの方が年齢を重ねる、目の下に膨らみ(目袋)が出現し、その影により目の下が暗くなります。
出現した目の下の膨らみの正体は眼窩脂肪(がんかしぼう)と呼ばれる目の周りの脂肪です。
眼窩脂肪はもともと目のまわりに存在していますが、年齢とともに前方向に飛び出してきます。
黒くまに有効な成分
黒クマは、目の下の皮膚のたるみが原因です。
一度できてしまった黒クマには、アイクリームを含む化粧品はほとんど効きません。
黒クマの中で、青クマや茶クマを併発している人は、アイクリームで青クマや茶クマが改善し、全体としてクマが薄くなったように感じられることがあります。
【番外編】アイクリーム以外の、黒くま(クマ)の解消法
○眼輪筋トレーニング
目の周りの筋肉(眼輪筋)を鍛えて、目の下のたるみを改善しましょう。
簡単にできる眼輪筋トレーニングをご紹介しますので、是非トライしてみてくさい。
お風呂に入りながらやるのがオススメです。
・目をギュッと閉じて5秒間キープしたのち、目を大きく開いて5秒間キープ(5回ほど繰り返す) ・頬骨の上のあたりを指でやさしく押さえながら、交互にウインクする(5回ほど繰り返す) |
眼輪筋トレーニングは黒クマには効果的ですが、目周りのシワが増えてしまうことがあるので、ご注意ください。
○クリニックでの治療
黒クマの抜本的な解決法は、経結膜脱脂法(けいけつまくだっしほう)が選択されることが多いです。
下まぶたの裏側(結膜側)からアプローチして、目の下の膨らみの原因である眼窩脂肪を取り除く手術です。
まぶたの裏側だけの施術なので、見た目の腫れが少ないのが特徴です。
5.アイクリームの塗り方
ここまで、クマ別にアイクリームの紹介をしてきましたが、より効果が出るよう塗り方の紹介もしていきます。
○アイクリームを塗る順番
普段のお手入れにプラスして使いたいアイクリームですが、どのタイミングで使用したら良いのか疑問に思うことがありますよね。
アイクリームの多くは、乳液の後に使用することを推奨されています。
基本的に化粧品をつけるときは、サラサラとした油分が少ないテクスチャーのものからつけると、角質層への浸透が良いといわれています。
アイクリームは肌に密着しやすいものが多く、比較的油分が多く含まれてるため、
「化粧水→美容液→乳液→アイクリーム→クリーム」の順で使うと良いでしょう。
○基本的な塗り方
アイクリームの基本的な塗り方を紹介します。
1.使用量を手の甲にのせ、指でアイクリームを温める。 2.アイクリームをまぶたと下まぶたに数ヶ所ずつ、点置きします。 3. 点置きしたアイクリームを薬指の腹でやさしくなじませていきます。 4.気になる部分には重ねづけする。 |
6.アイクリームを使用する上で気をつけたいこと
せっかくアイクリームを買って一生懸命塗っても、塗り方が間違っているとクマを悪化させてしまうことがあります。
アイクリームを使用する上で、気をつけるべきポイントをご紹介します。
○塗るときはこすりすぎない
アイクリームを塗るときに、ついついしっかり浸透させなきゃ!とゴシゴシこすりすぎてしまいがちですよね。
しかし、目元の皮膚は非常に薄くデリケートです。
こすりすぎることで、クマの悪化、シワやたるみ、色素沈着の原因になることもあります。
力の入りにくい薬指で、やさしく塗るように心がけましょう。
○その他のスキンケアを怠らない
アイクリームを使っているからと安心して、他のスキンケアを手抜きしないようにしましょう。
化粧水や乳液で肌に十分な水分と油分を与えて整えることが、アイクリームの効果をより効実感することができます。
アイクリームを使う前後のスキンケアも、普段どおりしっかりと行いましょう。
○継続して使用する
アイクリームに限ったことではないですが、乾燥やシワが気になるときだけ使用するのではなく、毎日継続して長期的に使用しましょう。
残念ながら、アイクリームは使い始めてすぐに実感できるものではありません。
長く使い続けるためにも、無理なく購入できる価格のアイクリームを選ぶのも1つの手ですね。
まとめ
「目の下のクマ」がなくなれば、それだけで顔色がパッと明るくなり、印象度はアップします。
まずは自身の「クマ」が、どのタイプかを把握し、素早くクマをなくしましょう。
監修医師
西川嘉一
Hirokazu Nishikawa
目の下のクマ・ニキビ・美肌の専門家。美容皮膚科医。東京大学医学部卒業。
クマ治療など、手がけた美容の症例は1万件を超えている。
大手美容クリニック銀座院の院長を経て、2017年『Acne Studio(アクネスタジオ)』を開院。
現在、渋谷・梅田の2院で、クマ治療やニキビ治療に取り組んでいる。
- 監修医師プロフィール
- 『Acnestudio』統括院長 アクネスタジオ公式サイト
- 『ニキビLabo』監修医師 ニキビ情報サイト ニキビLabo