シートパックは目の下のくま(クマ)に効くの?【美容皮膚科医監修】
お手入れの一環としてのデイリー使いや、特別な予定の前日に使用するなど、手軽にケアできるのが魅力のシートパック。
そんなシートパックは、目の下のくま(クマ)へどの程度効果があるのでしょうか。
目の下のくま(クマ)のケアとして選ぶべきシートパックや効果的な使用方法など、美容皮膚科医の観点から詳しくご紹介します。
1.目の下のくま(クマ)へのシートパックの効果は?
単刀直入に言うと、目の下のくま(クマ)への効果はマイルドです。
っと言っても、まったく効果がないと言うわけでなく、クマの種類によっては使用し続けることで効果が期待できます。
目の下のくま(クマ)は、
・青クマ ・茶クマ ・赤クマ ・黒クマ |
の4つに大きく分類されます。
中でも、シートマスクで改善が見込めるのが、「青クマ」と「茶クマ」です。
●青クマの場合
そもそも、青クマの原因は何でしょう?
青クマは、目の下の皮膚が薄く、皮膚の下の筋肉の色が透けて見えることと目の下の筋肉(眼輪筋)の血流が悪く色が暗くなっていることが原因です。
もともと皮膚が薄い人は10代でも青クマがみられます。
特に皮膚の色が白めの方も、色も薄く皮膚が薄い傾向が高いため、青クマが発生しやすいです。
また、年齢を重ねることで皮膚は薄くなっていくので、年齢とともに青クマが出現する人もいます。
寒いと血流が悪くなるので、冬に悪化するのも青クマの特徴です。
●青クマに有効なシートパックとは
青クマの改善には、「皮膚のコラーゲンを増やす」ことが有効です。
皮膚が薄く、筋肉がすけて見えることが青クマの一因なので、皮膚のコラーゲンを増やして厚みを増すことで、青クマが目立ちにくくなります。
「コラーゲンを増やす」ってことは、コラーゲン配合のシートパックを買えば良いの?と思われるかもしれません。
実は、よく市販されている「コラーゲン配合」のシートパックは、お肌の上にコラーゲンをのせることによる保湿効果しかなく、お肌の奥の真皮層でコラーゲンを増やす効果はありません。
そのため、真皮層のコラーゲンを増強する機能をもった成分の、「FGF(線維芽細胞増殖因子)」や「レチノール誘導体」が配合されているシートパックがおすすめです。
・FGF(線維芽細胞増殖因子)真皮層のコラーゲンを増強してくれる成分です。 ・レチノール誘導体レチノール誘導体とは、ビタミンAにパルミチン酸(ヤシ油や牛脂などに含まれている成分)を結合させた物質のことです。 パルミチン酸とレチノールが結合するとレチノール誘導体となり、「繊維細胞のコラーゲンを増やす」作用で肌の奥の弾力・保水力のアップ、美容液のなどの浸透力がアップします。 |
●茶クマの場合
茶クマの原因はメラニン!
茶色は皮膚の色素であるメラニンの色です。
メラニンは日焼けなどによっても増えますが、目の周りだけ増えるのは、2つの原因が多いです。
・メイクや洗顔などによる刺激
・ADM/SDM(後天性/対称性真皮メラノサイトーシス)
目周りは皮膚が薄いエリアで、メイクや洗顔などの刺激で色素沈着しやすい場所です。
花粉症などでよくこすってしまう人も目周りに色素沈着が起きやすいです。
刺激による色素沈着は、単純に刺激をなくせば時間とともに薄くなります。
●茶クマに有効なシートパックとは
茶クマは、紫外線から受けるダメージや、乾燥やメイク・洗顔時に過剰にこすりすぎることによる、色素沈着が原因です。
そのため、メラニン色素の還元と排出を促してくれる美白成分、「セラミド」や「ビタミンC」が配合されているシートパックを選ぶようにしましょう。
・セラミド茶クマができてしまっている目の下の皮膚の多くは、バリア機能が弱まっています。 最近はいろいろな化粧品に配合されていることが多いですが、選ぶときのポイントとして「高濃度」の「ヒト型セラミド」を選びましょう。 ・ビタミンC茶クマの原因である色素沈着は、皮膚にメラニン色素が残っている状態です。 紫外線やメイクを落とすときに生じる摩擦、またターンオーバーの乱れなどが原因で皮膚にメラニン色素が残り、茶クマとなります。 ビタミンCにはメラニン色素の生成を防ぐ働きがあることに加え、すでにできてしまっているメラニン色素を薄くする還元作用もあるため、色素沈着が原因の茶クマには有効です。 ビタミンC配合シートパックは美白用として多くのメーカーから販売されていますが、選ぶときのポイントとして「ビタミンC」ではなく「ビタミンC誘導体」配合のものを選びましょう。 |
シートパックに限ったことではないですが、「今日は特にクマが気になるな~」というときだけ使用するのではなく、毎日継続して長期的に使用しましょう。
残念ながら、使い始めてすぐに実感できるものではありません。長く使い続けるためにも、無理なく購入できる価格で、自分のお肌にあったものを選ぶようにしましょう。
2.シートパックの効果的な使用方法
シートパックをするときは、パッケージの後ろに表示されている方法でなんとなく使用していませんか?
効果的な使用方法って、知っているようで知らない方が殆どではないでしょうか。
せっかくシートパックをしているのにそれではもったいないですよね。効果的に使用すれば、より目の下のくま(クマ)を改善する近道となります。
美容皮膚科医の観点から、よりお肌に浸透して効果がアップする方法をご紹介します。
今日から以下をトライして、目元も含めてお顔全体の透明感をアップさせましょう!
●シートパックを効率よく使用する4つのポイント♡
★使用前に顔全体に化粧水をつけて保湿する
シートパックは、美容液がたっぷりと含まれています。普段のお手入れで美容液を塗る前に化粧水でお肌を整えるのと同じ要領で、シートパックをする前は化粧水をつけましょう。
★クマが酷い目元には、美容液を塗ってからパック
特に気になるクマ部分には、美容液を塗りましょう。
前述でも書いたように、クマ別に塗るべき美容液の成分が異なりますので注意しましょう。
青クマには、保湿成分(線維芽細胞増殖因子・レチノールなど)が豊富に含まれている美容液を塗るとより効果的です。
茶クマには、美白成分(ビタミンC・セラミドなど)が豊富に含まれている美容液がおすすめです。
シートパックで上から蓋をすることで、お肌への浸透力が高くなります。
★目元・口元にはクリームを塗る
シートパックの殆どの形状が、目元と口元が開いているためその部分だけパックができません。
目の下のクマの部分を覆うように目元を合わせてパックを装着し、パックが出来ていない部分は予めクリームを塗ってお肌の水分が飛ばないように蓋をしましょう。
★シートパック後は乳液またはクリームを塗る
シートパックをした後は、お顔に残った美容液を手で優しく馴染ませた後、乳液かクリームで蓋をしましょう。
そうすることで、お肌によりシートパックの美容液が浸透します。
シートパックを外した後、何も塗らずにいるとかえってお肌が乾燥しますので、注意しましょう!
3.シートパックを使用するときの注意点
シートパックをする際の注意点をご紹介します。
意外と知らないことがあるかもしれません。しっかり守って正しく使用しましょう!
●シートパックをするときの3つの注意点
★入浴中は使用しない!
入浴中は、身体が温まり毛穴が広がるためシートパックをすると効果的とよく思われがちですが、NGなんです!
身体が温まると汗をかき、毛穴から汗と一緒に不要な老廃物を排出します。
せっかくシートパックをしても、効率よく美容液を取り入れることができず、汗と一緒に流れてしまうのです。
オススメなのは、入浴後にシートパックをすること!
入浴後の毛穴の状態は、美容液をとても取り入れやすい状態になっているのでベストタイミングといえます。
★肌荒れしている時や、刺激を感じたら使用をやめる!
シートパックは、美容成分をお肌にたっぷりと取り入れることができますが、これは健康なお肌のときにより効果を得ることができるのです。
肌荒れしているからシートパックをして治すという目的での使用はおすすめできません。
シートパックは、肌荒れに直接アプローチして治すことができる薬ではありません。
かえって肌荒れが悪化してしまうことも考えられますのでお肌の調子が悪いときは使用を控えましょう。
★シートパックの使用期限を守る!
未開開封のものは製造から3年間というものが多いです。
・シートパックの種類
・保管状況
・製造日
により製造してすぐのものと全く同じというわけではないので開封していなくてもなるべく早めに使うことをおすすめします。
保存するときは、直射日光の当たらないなるべく冷暗所で保管しましょう。
4.シートパックの使用頻度
日常的にお手入れの一環として毎日使用しても良いの?
デートやパーティーなど、特別な日の前日だけ使えば良いの?と疑問に思いますよね。
単刀直入に言うと、どちらでもOKです。
ただし日常的にお手入れの一環として使用する場合は、毎日使用することを目的としたシートパックを使用しましょう。
基本的には、1~2週間に1回の頻度での使用がおすすめです。
1週間の内に曜日を決めて、スペシャルケアの日といったように継続的に無理なく続けられうようにすると良いですね。
5.まとめ
シートパックは、青クマ・茶クマにはマイルドに効果があります。
自分のクマの種類が何なのかを知り、適切なシートマスクでケアしていきましょう。
効果的な使用方法や注意を是非参考にしてください。
監修医師
西川嘉一
Hirokazu Nishikawa
目の下のクマ・ニキビ・美肌の専門家。美容皮膚科医。東京大学医学部卒業。
クマ治療など、手がけた美容の症例は1万件を超えている。
大手美容クリニック銀座院の院長を経て、2017年『Acne Studio(アクネスタジオ)』を開院。
現在、渋谷・梅田の2院で、クマ治療やニキビ治療に取り組んでいる。
- 監修医師プロフィール
- 『Acnestudio』統括院長 アクネスタジオ公式サイト
- 『ニキビLabo』監修医師 ニキビ情報サイト ニキビLabo