目の下のくま(クマ)に効く漢方薬はある?漢方で改善できるタイプのクマは?
2017-04-12更新
見た目に大きな影響を与える目の下のくま(クマ)。疲れて見えたり、老けて見えたり・・・イヤですよね。
メイクで隠せればそれに越したことはないのですが、できれば根本的に解決できれば嬉しいです。
目の下のくま(クマ)を改善するために、身体の中から体質改善してくれる漢方が良いとも言われていますが、本当に漢方が効果があるのでしょうか?
残念ながら漢方は目の下のくま(クマ)には、漢方はあまり効きません。そのため、目の下のくま(クマ)のために漢方薬を飲むことはおすすめしていません。ただ、他の症状(生理不順など)で飲んだ漢方薬で、少し目の下のくま(クマ)が少しよくなったという方はいらっしゃいます。
どんな漢方薬がどんなタイプのクマに効くのか、ご紹介します。
1. そもそも漢方って何?
そもそも漢方とはどういった薬を指すのかをご紹介します。
じつは、「漢方」とは、特定の薬や成分を示す言葉ではありません。
漢方とは中国の伝統医学を指す言葉で、はるか昔、5世紀頃には日本に伝わっていました。
江戸時代には西洋医学も伝わってきましたが、それを「蘭方」と呼びました。
それに対して、漢の時代に伝わった中医学を「漢方」と名付けたのです。
漢方では植物だけでなく動物や鉱物までも薬の材料として使います。
その一つ一つを「生薬」といいます。
2種類以上の生薬を決まった分量で配合して作られたものを「漢方薬」と呼んでいます。
漢方薬は西洋の薬のように、頭痛の症状を抑えたり、胃痛を和らげたりというその病気に合わせて使うのではなく、その症状を引き起こしている原因は何なのかということを考えて、その人の体質に合わせて選ぶものとされています。
1-1. 目の下のくま(クマ)に効く?漢方(当帰芍薬散)とは?
さて、いよいよ目の下のくま(クマ)に少し効果がある漢方の話をします。
「当帰芍薬散(トウキシャクヤクサン)」という漢方薬です。
当帰芍薬散には6つの生薬が使われています。
【当帰芍薬散に使用されている生薬】
・当帰(とうき)
・芍薬(しゃくやく)
・川芎(せんきゅう)
・茯苓(ぶくりょう)
・沢瀉(たくしゃ)
・蒼朮(そうじゅつ)
当帰芍薬散の一番の効果は、血行を促進させて全身に栄養を巡らせることが挙げられます。
血流が良くなり、冷え性や生理不順を改善します。
また、冷えていてい身体の巡りが悪いと、余計な水分を溜め込んでしまうため、それも冷え性を助長させることになります。
当帰芍薬散は利尿作用によって余分な水分を排出して、冷え性や生理不順を改善すると同時にむくみも予防します。
2. 漢方(当帰芍薬散)が効く目の下のくま(クマ)ってどんなタイプのクマ?
クマにも色々種類があります。では、どのようなタイプのクマに当帰芍薬散が有効なのでしょうか?
答えは「青クマ」です。
青クマとは、目の周りの血行が悪くて、青く見えるクマのことです。
青クマは、目の酷使、寝不足や冷え性、栄養不足などによっても起こるクマです。
ここで様々あるクマのタイプを簡単にご紹介します。
【黒クマ(影クマ)】
黒クマ(影クマ)は、目の下の脂肪(眼窩脂肪)のカゲによって出現するクマです。
特徴は、皮膚に色がついているわけではないため、コンシーラなどのカラーコントロールで対策が取れないクマとして有名です。
*クマチェック*
目の下のくま(クマ)部分の皮膚を、人差し指で触れるような力でスッとスライドしてみましょう。
その時、目の下のくま(クマ)(カゲ)がなくなったら、黒クマ(影クマ)の可能性が高いです。
皮膚に色がついているわけではなく、まさに名前の通り、目周りの脂肪が出ていることで影が出来ているのです。
【茶クマ】
茶クマは、目の下の皮膚が色素沈着を起こすことにより出現するクマです。
目(目の下)をこすりすぎたり、間違ったスキンケアや、目の下のマッサージを行う出現し易いので気をつけましょう。
*クマチェック*
鏡で目の下を見ながら、目の下の皮膚を左右上下に動かしてみましょう。
あっかんべーをしてまぶたを下に引っ張っても、消えないクマは茶クマの可能性大です。
皮膚自体に色素が沈着しているため、皮膚を動かしても色変わらないのが特徴です。
【赤クマ】
赤クマは、皮膚が薄く、筋肉が赤色に透けて出現するクマです。
【青クマ】
青クマとは、皮膚が薄く、目の周りの血行が悪くて、青く見えるクマのことです。
青クマは、目の酷使、寝不足や冷え性、栄養不足などによっても起こるクマです。
当帰芍薬散が効くのは青クマ!でも・・・
4つのクマのうち、改善効果が期待できるのは、血行不良が原因である青クマです。
とはいえ、当帰芍薬散は目の下のくま(クマ)を改善する為の漢方薬というわけではありません。
当帰芍薬散を飲めばすぐに青クマが改善されるかというと、そこまでの効果は正直期待できないでしょう。
とはえ冷え性や生理不順、肩こりなど身体の巡りが悪いことで様々な不調が起きている人は、かなりマイルドな効果で青クマが徐々に改善されるかもしれません。
ただし、多くの人が飲んで少し改善したかしないかという程度の効果なので、過度な期待はしない方が良いでしょう。
3. 漢方(当帰芍薬散)の副作用
漢方薬にも副作用はあります。
当帰芍薬散の副作用をご紹介します。
【当帰芍薬散の主な副作用】
・胃の不快感
・食欲不振
・吐き気、嘔吐
・下痢
などの消化器系の副作用を感じることがあります。
【その他の副作用】
・発疹
・発赤
・かゆみ
など、皮膚の症状が出る場合もあります。
服用してみて「副作用かな?」と思う症状が出てきたら、速やかに医師に相談しましょう。
4. 漢方(当帰芍薬散)の飲み方
当帰芍薬散は食前(食事の30分前)または食間(食事の2時間後)のお腹がすいている時間帯に服用します。
1日7.5gを2~3回に分けて飲みましょう。
ただしこの量は、年齢や体重、症状の度合いによって変わってきます。
飲む量は医師の指示に従ってください。
空腹時に飲むのは薬の吸収を良くするためです。
ただ、飲み忘れてうっかり食事をしてしまった場合は、食後に飲んでも問題はありません。
効き目が緩やかになるだけで、全く効果がないわけではないので、そのまま1回飛ばしてしまうより、食後でも飲んだ方が良いでしょう。
当帰芍薬散の効き目は緩やかに現れます。
抗生物質のように、服用後すぐに効果を実感できるわけではありません。
目に見える症状を和らげるというよりは、身体の巡りを良くしながら体質改善をしていく薬です。
身体の巡りが良くなり、血行が改善されていけば、目の下の青クマも徐々に目立たなくなっていく効果が期待できます。
まとめ
当帰芍薬散は本来、血の流れを良くして生理不順などを改善するために処方される漢方薬であり、目の下のくま(クマ)を改善するために処方されるものではありません。
ですが、当帰芍薬散により血行不良が改善されると、血流が良くなったことで青クマも改善される可能性はあるでしょう。
【番外編】漢方(当帰芍薬散)以外に目の下のくま(クマ)に効く薬
では、漢方以外に目の下のくま(クマ)の改善効果が期待できる薬はあるのでしょうか。
色素沈着タイプの茶クマは、美容皮膚科などで処方してもらえる外用薬(トレチノイン、ハイドロキノンなど)によって肌のターンオーバーを促進させたり、メラニン色素を排出することで改善することがあります。しかし、刺激の強い成分でもあるため、肌質によっては使えかったり、効果が薄いことがあります。
茶クマはトラネキサム酸やビタミン剤などの内服薬を併用しながら治療することもあります。クマだけでなくシミやそばかすを改善する効果も期待できます。