【生理前の大人ニキビ】できちゃう人・できない人を皮膚科医がわかりやすく解説
2017-11-07更新
生理になるたびにニキビができる。こんな「生理前ニキビ」に悩まされる方も多いのではないでしょうか?
生理前は、それだけで不快な症状に悩まされやすい時期…。ニキビができると更に気分が落ち込みますよね。
でも、生理前でもニキビができない人もいますよね。どんな違いで「できやすい人」「できにくい人」に別れるのでしょうか?
その答えは「ホルモンレベルの体質」と「カンタンにできる毎日の習慣」にありました。
生理前のニキビの原因と、すぐにできる対策法も含めてご紹介します。
この記事の監修医師 アクネスタジオ 院長 西川嘉一 |
関連記事 薬の効きにくいニキビの治療例 西川先生の治療日記 |
1.生理前にニキビができやすいのはなぜ?
生理前のニキビは、ホルモンバランスの乱れが原因の一つです。あごや口周り、フェイスラインなどのUゾーンは、生理前ニキビ出来やすい場所です。
つまりホルモンの影響を受けやすい場所とも言えます。
女性の体には「卵胞ホルモン」と「黄体ホルモン」という2つの女性ホルモンがあります。
生理周期によって「卵胞ホルモン」と「黄体ホルモン」の体内バランスが崩れて「黄体ホルモン」が増加します。
「黄体ホルモン」は皮脂の分泌を盛んにさせる作用があります。
生理前になるとニキビが出来るのは、この「黄体ホルモン」によって一時的に多く分泌された皮脂が毛穴に詰まるからです。
また生理前は、ストレスや生活習慣などの乱れの影響も増えやすく「男性ホルモン」が増加して、皮脂の分泌を促し、肌表面の角質を厚くする働きもあるため、さらに毛穴が詰まりやすくなる!という負のスパイラルに陥りやすくなるのです。
2.スキンケアで生理前ニキビを予防する
生理前2週間の肌はとても敏感です。普段のメイクの落とし方や洗顔のしかたを少し変える必要がある人もいます。
例えば、メイクをしっかり落としてくれるオイルクレンジングは注意が必要です。
オイルクレンジングはメイク落ちがいいのですが、肌への刺激がとても強く、肌に必要な皮脂までも落としてしまいます。
すると本来肌が持っているバリア機能が低下し、肌荒れしやすい状態へと傾いてしまいます。
また、マイルドな洗顔料をしっかりと泡立てて使用し、肌への摩擦を少なくすることも大切です。すすぎ残しがないように30℃程度のぬるま湯で優しくしっかりと洗い流しましょう。
また、クレンジング・洗顔後は、しっかりと保湿する事が大切です。
よく「ニキビ肌は皮脂が多いから・・」と保湿をしない人がいますが、それは間違いです!!
肌が乾燥していると角質は固く、厚くなります。そうなると毛穴はいっそう詰まりやすくなってしまいます。洗顔後はきちんと化粧水で水分を補い、乳液やミネラルオイルなどでしっかり保湿してあげましょう。
また、肌を清潔に保つことも大切です。
日頃からファンデーションのパフをこまめに洗いましょう。
使用後のパフには皮脂・汗がついており、そこに雑菌が繁殖します。なるべく毎日、忙しくても3日に1回は洗うように心がけましょう。台所用の中性洗剤で手洗いして、日当たりのよい場所で干すのがおすすめです。
さらにタオルや枕カバーを清潔にすることや、髪の毛がニキビのできやすいところにかからないようにするといった工夫も必要でしょう。
3.生活習慣で生理前ニキビを予防する
良質な睡眠
女性ホルモンのバランスを整えるためには、ホルモンをコントロールしている「脳」を十分に休める必要があります。
ホルモンバランスを整えるためにもしっかりと睡眠をとるように心がけましょう。
また寝ている間に肌の新陳代謝が活発になるので夜更かしもNG!
早めの就寝を心がけて規則正しい生活を送ることを習慣にしましょう。
仕事のストレスや睡眠不足で生理不順を来たしてしまった人も多いのではないでしょうか?
バランスが取れた食事
生理前の時期は皮脂量が増えるため、油分を控えた食事がおすすめです。
油分が多い食べ物は消化にも悪く、胃腸に負担をかけやすくなります。
胃腸が不調になると肌も不安定になりがちです。
また、大人のニキビは、肌に必要な栄養素が足りない食生活であることも、原因のひとつといわれています。
皮脂の分泌を抑える作用があるビタミンB群は積極的に摂りたい栄養素です。
ビタミンB1を含む玄米や豚肉、ビタミンB2を多く含む緑黄色野菜やレバー、ビタミンB6やB12を含む魚など美肌をつくってくれるビタミンを積極的にとりましょう。
さらに、コラーゲンの合成に必要なビタミンCも必要です。
ビタミンCといえばレモン!というイメージが強いですね。
実は、大根、パプリカやブロッコリーなどの身近な野菜やイチゴ、柑橘類の果物にも豊富に含まれています。
体内を温める
体が冷えるとホルモンバランスが乱れてニキビの悪化につながります。
特に生理時期には、体のむくみやだるさ、血行不良や冷えなどの不調が出やすく、ストレスも溜まりがちです。
お風呂でゆっくりと体を温めて、リラックスすることも必要です。
また体を冷やす冷たい飲み物を避け、なるべく暖かい飲み物をとることもおすすめです。
身体の中からあたためるように心がけましょう。
4.まとめ
このように、生理前のニキビは正しいスキンケアと、ホルモンバランスを整えるための毎日のケアが大切です。
ニキビができにくい健やかな肌を目指して、無理なく続けられるお肌と体調のケアを目指しましょう。
ケアをどれだけ頑張ってもニキビが治りにくい体質の方は、ホルモンレベルのニキビ治療を考えてみましょう!
【ピルでニキビを治そう】ホルモン治療を皮膚科医がわかりやすく解説 |
薬の効きにくいニキビの治療例 西川先生の治療日記 |
この記事の監修医師
西川嘉一
Hirokazu Nishikawa
ニキビ治療のエキスパート。ニキビ・美肌・くまの専門家。東京大学医学部卒。
業界大手・銀座院長を経て、ニキビ専門皮膚科【アクネスタジオ】を開院。
一ケ月に1000人以上がアクネスタジオを訪れている。