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【ニキビの薬】ファロム・ファロペネムを皮膚科医がわかりやすく解説

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【医師が教える】ニキビ治療薬のファロム(ファロペネム)」。飲み方・効果・副作用(下痢・腹痛など)をココでチェック!医師がファロムの使い方のコツをレポート。
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2016-06-16更新

 

西川 ニキビ治療 皮膚科医この記事の監修医師
アクネスタジオ
院長 西川嘉一

 

 

先生4薬の効きにくいニキビの治療例
西川先生の治療日記

 

1.ファロムを白ニキビに使ってはいけない!

ニキビの治療薬として使われるファロム(フォロペネム)ですが、実は効くニキビと効かないニキビがあります。
ファロム(フォロペネム)がよく効くニキビは赤ニキビです。
ファロム(フォロペネム)は抗生物質なので、赤ニキビの原因のアクネ菌を減らしてくれる作用があります。
それに対して、ファロムは白ニキビには効果がありません。
白ニキビはアクネ菌が繁殖する前のなので、ファロム(ファロペネム)を使っても減らすべきアクネ菌がいません。

2.ファロムの使い方

飲み方

ファロム 1 回 150 ㎎~200 ㎎(力価)を 1 日 3 回内服します。
体質などに応じて量や回数は変わりますので、担当の医師の指示に従いましょう。

使用期間

通常、使用期間は2週間以内です。
治療経過に応じて、使用期間は変わりますので、担当の医師の指示に従いましょう。

ファロムをずっと使い続けるのはダメ!

抗生物質(抗菌薬)であるファロムをむやみに使い続けると、ファロムが効かないアクネ菌や他の菌が生まれてきます。
なので、抗生物質(抗菌薬)はできるだけ短い期間で終わりにすることが大切です。

 

3.ファロムの副作用

一番多いのは腹痛・下痢

ファロムなどの抗生物質を飲むと、腸内細菌も殺菌・抗菌されてしまいます。
そのため、下痢や腹痛が発生します。
ファロムの場合、100人に3-4人程度下痢や腹痛が発生します。

 

妊娠中・授乳中はなるべく避けましょう

胎児・乳児への影響がよくわかっていないので、妊娠中・授乳中はなるべく避けましょう。ただし、医師の判断により使われることがありますので、しっかり相談をした上で、使用をしましょう。

 

4.ファロムってどんな薬?

ファロムは商品名で、成分名はファロペネムナトリウムです。
 1985 年にサントリー株式会社が開発した世界初の経口ペネム系抗生物質です。
臨床試験などを経て、1997 年に発売されました。
アクネ菌を殺菌することで赤ニキビをよくします。

 

5.美容皮膚科医西川はニキビにファロムを使うのか?

西川はたまにファロムを処方します。
もちろん、気分が乗ったら処方をするとかそういうわけではありません。
西川は、ニキビの抗菌薬としてビブラマイシン(ドキシサイクリン)をもっともよく使います。
理由は、ドキシサイクリンが抗炎症作用もある抗菌薬だからです。
単にアクネ菌を減らすだけでなく、アクネ菌が作り出す炎症も抑えてくれます。
そのため、他の抗菌薬よりも優先的にドキシサイクリンを使用します。
ただし、ドキシサイクリンが効かない人(耐性菌)やドキシサイクリンにアレルギーのある人もいます。
そういった人に、フォロムを処方します。

西川はたまにしか処方しないくせに、ファロムが好きです。
理由は、今のところ、ファロムが効かない人が非常に少ないからです。
ファロムは、あまり使われていない系統の抗菌薬なので、耐性菌を持っている人が非常に少ないです。
なので、ニキビに2番目に使う内服抗菌薬はファロムであることが多いです。

 

6.ファロムを飲むだけではニキビは治らない!

ニキビは内服薬の抗生物質(抗菌薬)だけでは治りません。
一緒に外用のレチノイド(ディフェリンゲルなど)やベピオゲル(過酸化ベンゾイル)などを併用して治療をすることで、早くキレイに治ります。
抗生物質(抗菌薬)だけに頼らず、他の治療も併用しましょう。
保険診療では、どんな治療がおすすめかは、下の記事を参考にしてください。

 

ニキビ 皮膚科 外用薬 内服薬【皮膚科ニキビ治療】3分でわかる!やさしい保険診療&ガイドラインベース

 

 

7.まとめ

ファロムはニキビの治療薬として、非常に優秀です。
しかし、単独での治療では効果が出にくいので他の治療と併用しましょう。
加えて、長期間の内服で耐性菌が発生するので、できるだけ短い期間で内服を終わりにしましょう。

 

 

先生4薬の効きにくいニキビの治療例
西川先生の治療日記

 

ファロム・ファロペネム 皮膚科東京でファロム・ファロペネムの副作用・使い方のセカンドオピニオンが受けられる皮膚科

 

監修医師

この記事の監修医師

西川嘉一
Hirokazu Nishikawa

ニキビ治療のエキスパート。ニキビ・美肌・くまの専門家。東京大学医学部卒。

業界大手・銀座院長を経て、ニキビ専門皮膚科【アクネスタジオ】を開院。

一ケ月に1000人以上がアクネスタジオを訪れている。