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【赤ニキビの市販薬】テラ・コートリルを皮膚科医がわかりやすく解説

赤ニキビに効くテラ・コートリル。皮膚科でもらう薬ほどは効かないが、薬局で買える市販薬の中では効果が高いです。使い方・副作用に気をつけましょう。
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2018-02-20更新

ニキビは症状によって治療法・適切な薬が異なります。
今回は【赤ニキビ編】のテラ・コートリル軟膏です。

 

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1.テラ・コートリルって、なに?

1-1.テラ・コートリルの成分

 

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【成分・分量】(1g中) 

成分 分量
オキシテトラサイクリン塩酸塩 30mg(力価)
ヒドロコルチゾン 10mg

 

【希望小売価格】

テラ・コートリル®軟膏a: 6g  ¥1,000(税抜)

対象  ★★★  数個程度の赤ニキビ

効果  ★★★★ 抗菌薬がアクネ菌を抑える

即効性 ★★★★ ステロイドが早く炎症を治める

値段  ★★★  1000円。他の市販薬と比べるとすこし高め。

安全性 ★★★  短期使用では副作用は少ない

使用感 ★★   塗るとテカテカする

におい ★★★  無臭

 

1-2.テラ・コートリルの正しい使い方

夜、通常のスキンケアが終わったあとに、綿棒で赤ニキビにつけるだけです。
赤ニキビのないところに塗ると副作用のリスクが上がります。
顔全体に塗る方がたまにいらっしゃいますが、おすすめではありませんので「ポイント使い」を心がけましょう。

 

2.自分のニキビにテラ・コートリルは効果はあるの?

どんなにテラ・コートリルが優れていたとしても、症状とテラ・コートリルがあっていないと効果も見込めません。
あなたのニキビは効果が出やすいニキビでしょうか?

 

2-1.ニキビの種類とテラ・コートリルの効果

ニキビの種類 数個程度の赤ニキビ 大量の赤ニキビ 白ニキビ 黄ニキビ 紫ニキビ
効果 × × ×

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毛穴の中に皮脂がたまった状態が白ニキビです。
その皮脂でアクネ菌が繁殖し、炎症を引き起こした状態が赤ニキビです。
赤ニキビが進行し、黄ニキビは膿が溜まった状態です。
そして、紫ニキビは炎症が広い範囲に拡大し、硬くなった状態のニキビです。

 

2-2. テラ・コートリルで白ニキビは治る?

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答えは残念ながらNoです。
白ニキビとは「毛穴の中に皮脂が溜まっている状態」を指します。
この状態はアクネ菌が増殖前なので、抗菌薬成分オキシテトラサイクリン塩酸塩※が役に立ちません。
また、炎症もおきていないため、抗炎症成分ヒドロコルチゾン※も役に立ちません。
白ニキビには、皮脂分泌を抑える事がビタミンA誘導体やホルモン治療、光線療法などが有効です。

 

2-3.テラ・コートリルは黄色ニキビ、紫ニキビへのは効果はある?

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コチラも答えは残念ながらNo!です。
黄色ニキビ、紫ニキビでは、アクネ菌が増殖し、炎症も起きているので、テラ・コートリルを使ってもいいように思えるかもしれません。
しかし、通常この状態の場合、クリニックでは、外用薬(塗り薬)だけでなく、内服薬なども追加して治療を行います。      
つまり、外用薬だけではニキビを抑えられない状態になっているのです。
そのため、黄色ニキビ、紫ニキビではテラ・コートリルの効果だけでは不十分であることが多いのです。

 

 

2-4.テラ・コートリルは、数個程度の赤ニキビを治す薬としての相性がいい!

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数個程度の赤ニキビの治療はクリニックでも、抗菌薬の塗り薬で対応します。 
抗菌薬は増殖してしまったアクネ菌を抑制し、同時に炎症も抑えられるパワーがある優れものです。 
そのため、数個程度の赤ニキビには有効と考えられます。

 

3.テラ・コートリルが「よく効く」理由

 

3-1:抗菌薬成分が優れている。オキシテトラサイクリン

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テラ・コートリルには他の市販薬ではなかなか配合されていない、抗菌薬成分:オキシテトラサイクリン塩酸塩が配合されています。
これは、クリニックで処方されるニキビ用内服薬「ミノマイシン」
と同じ系統の成分です。
テラ・コートリルの抗菌薬成分:オキシテトラサイクリン塩酸塩が赤ニキビの原因のアクネ菌を増殖を防ぎます。

 

3-2:抗炎症成分が優れている。ヒドロコルチゾン

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テラ・コートリルには抗菌薬だけでなく、強力な抗炎症成分のヒドロコルチゾンも配合されています。
ヒドロコルチゾンはステロイドという薬に分類されます。
ちなみにヒドロコルチゾンはステロイドの中では作用が弱い方に分類されていますが、通常の赤ニキビでは十分な強さです。

 

 

4. え?テラ・コートリルは大量の赤ニキビには不向き??

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大量に発生している赤ニキビにはテラ・コートリルは不向きです。

理由は大きく分けて2つあります。

 理由その①:全部の赤ニキビを抑えるのに、テラ・コートリルを使用すると長期使用になってしまう。

 長期使用では副作用のリスクがあります。 
ニキビであれば1週間程度の使用にとどめておきましょう。 
1週間使用しても改善が見られなければ、ニキビ専門クリニックを受診し、専門家に治療法を相談しましょう。 

 

理由その②:テラ・コートリルを使用してもあまりよくなりそうもない。

大量発生している赤ニキビは、多くの場合、その赤ニキビを抑えても、
次から次へと出てきます。
「白ニキビが炎症を起こす」→「赤ニキビになる」という経路をとっているので、そもそも原因である白ニキビ自体を抑える治療もしないと十分な治療効果は見込めません。

 

5.医師からの注意!長期の使用はNG

1週間使ってみて、効果があまりなかったら、ニキビ専門クリニックに行ってみましょう。

 

5-1.抗菌薬の長期使用は危険!

同じ系統の抗菌薬を長期にわたって使用すると、耐性菌が発生し、抗菌薬が効かなくなってしまいます。

そのため、基本的に抗菌薬の長期使用は、適切な理由がない限りNGになっています。

 

5-2.ステロイドの長期使用も危険!

ステロイドであるヒドロコルチゾンが配合されているため、長期使用には向いていません。

ステロイドの長期使用ではステロイド座瘡(ニキビに似た症状)、酒さ様皮膚炎(赤ら顔)などの副作用が起きる可能性があります。

ステロイドの長期使用に関しては皮膚科で相談しましょう。

適切なステロイド使用、病気をよくしてくれますが、自己流では危険がつきまといます。

 

5-3.皮膚科でニキビにテラ・コートリルが処方されない理由

正直な話をすると、市販薬よりもクリニックで処方される薬のほうが効果が高いです。
ですが、クリニックに来れる時間的余裕のない方も多いと思います。
ここからは、医師から使用上の注意点をお伝えします。

 

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テラ・コートリルの抗菌薬成分であるオキシテトラサイクリンよりもニキビに効く外用薬があるからです。

  デュアック ダラシンTゲル テラ・コートリル
効果  ◎  ◯  △~◯
耐性菌のできにくさ  ◯  △  △

 

  デュアック ダラシンTゲル テラ・コートリル
数個の赤ニキビ
大量の赤ニキビ ×
白ニキビ × ×
黄ニキビ
紫ニキビ ×

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ダラシンTゲルという外用薬がテラ・コートリルよりも有効です。

2015年、そのダラシンTゲルを上回るデュアックという外用薬が日本国内に登場しました。

デュアックはダラシンTゲルの成分クリンダマイシンに加えて過酸化ベンゾイルという成分が配合されて、よりニキビに効きやすくなっています。

デュアック=クリンダマイシン(ダラシンTゲル)+過酸化ベンゾイル

またクリンダマイシン(ダラシンTゲル)単独だと、ニキビの原因アクネ菌がクリンダマイシンに耐性を持つ(クリンダマイシンがアクネ菌に効かなくなる)ことがあります。

なので耐性菌の発生率を下げるデュアック(クリンダマイシン+過酸化ベンゾイル)という抗菌薬が、赤ニキビの抗菌外用薬としては標準的なものとなっています。

ニキビ専門クリニックでは、抗菌外用薬以外の治療もあり、症状に最適な治療を受けることができます。ニキビに悩んでいる方は一度受診してみてもいいかもしれませんね。

 

6.まとめ

テラ・コートリルは赤ニキビの初期治療としては有効な薬ですので、「クリニックに行く時間がない」「明後日予定があるのに突然ニキビができた!」なんていうときなどに試してみてはいかがでしょうか?

ただし、1週間使用しても効果が見られないときは、ニキビ専門クリニックに相談しに行ってみましょう。

 

 

 

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監修医師

この記事の監修医師

西川嘉一
Hirokazu Nishikawa

ニキビ治療のエキスパート。ニキビ・美肌・くまの専門家。東京大学医学部卒。

業界大手・銀座院長を経て、ニキビ専門皮膚科【アクネスタジオ】を開院。

一ケ月に1000人以上がアクネスタジオを訪れている。