【ニキビの薬】ビブラマイシン(成分名ドキシサイクリン)を皮膚科医がわかりやすく解説
2016-12-01更新
ビブラマイシン(ドキシサイクリン)は美容皮膚科医西川がニキビに対して最も多く処方する内服抗菌薬です。
理由は2つ
・効果が高いこと(抗菌作用だけでなく抗炎症作用があること)
・副作用が少ないこと
そんなビブラマイシン(ドキシサイクリン)をわかりやすく解説していきます。
薬の効きにくいニキビの治療例 西川先生の治療日記 |
Index
1.ビブラマイシンとは
商品名ビブラマイシン、成分名ドキシサイクリンという抗生物質です。
なので、ビブラマイシンとドキシサイクリンは実質同じものと考えて差し支えありません。
テトラサイクリンというグループの抗生物質で、同じグループにはニキビによく使われるミノマイシン(ミノサイクリン)があります。
ビブラマイシンは赤ニキビの原因のアクネ菌を倒すためにつかわれます。
2.ビブラマイシンが効くニキビ、効かないニキビ
赤ニキビには効く
赤ニキビはアクネ菌が繁殖し、炎症が起きている状態です。
そこでビブラマイシンを使用すると、アクネ菌を減らしてくれる作用と炎症を抑えてくれます。
抗菌作用と抗炎症作用のダブルの効果が見込めます。
白ニキビには効かない
白ニキビは毛穴に皮脂が詰まった状態です。
アクネ菌が繁殖する前の状態なので、ビブラマイシンを使用しても白ニキビの改善につながりません。
白ニキビにはケミカルピーリングやレチノイド(アクネオ、ディフェリンゲル)などが有効です。
3.ビブラマイシンの飲み方
1日目200mgを1回または2回に分けて飲む。
2日目以降100mgを1回
症状などにより飲み方や用量が変わりますので、担当の医師の指示に従いましょう。
4.ビブラマイシンのメリット
抗炎症作用がある
抗菌薬に抗菌作用があるのは、当たり前ですが、ビブラマイシンのいいところは、ニキビの炎症を抑える作用もあるところです。
アクネ菌が出す炎症物質を抑える作用があるのです。
同じテトラサイクリン系のミノマイシンよりも副作用のめまいが少なく、使いやすい
実はミノマイシンにも抗炎症作用があります。
ですが、ビブラマイシンの副作用のほうがミノマイシンよりもマイルドなので、ビブラマイシンのほうが比較的使いやすいです。
5.ビブラマイシンのデメリット
抗生物質一般のデメリット
善玉菌(常在菌)も殺菌してしまう
長く使うと耐性菌ができてしまう
ビブラマイシン特有のデメリット
ビブラマイシンだけではニキビ肌は治らない
8歳未満で子供に使うと、歯が黄色くなることがある。
妊娠中は基本的には飲んではいけない。
6.ニキビ肌を改善する治療
ニキビ肌の改善に必要なこと
・お肌のバリア機能を回復する
・皮脂を抑える
・角質をやわらくする
ニキビが酷い時にしなくてはいけないこと
・アクネ菌の繁殖を抑えること
・炎症を抑えること
7.美容皮膚科医西川はビブラマイシンを「わりと」よく使います。
ニキビが酷い時にアクネ菌の繁殖をおさる+炎症を抑える作用があるので、2週間程度使用します。
ビブラマイシンは西川が最も処方することが多い内服抗菌薬ですが、そもそも内服抗菌薬をそれほど処方していません。
あまり処方しないのは、耐性菌を生まないためです。
なので、ビブラマイシンは「とてもよく使う」ではなく、「わりとよく使う」という位置づけの薬になっています。
ビブラマイシン以外の抗生物質の解説ページ
【ニキビの抗生物質】皮膚科医がわかりやすく解説 |
ニキビの治療は併用療法が基本。
お肌のバリア機能を回復するスキンケア
皮脂を抑えるレチノイド(アクネオ、ディフェリンゲルなど)
角質を柔らかくするケミカルピーリング、レチノイド(アクネオ、ディフェリンゲル)
上記の3つが基本的なニキビ肌の改善に必要なことで、それに追加でビブラマイシンを使用します。
8.まとめ
赤ニキビには抗生物質は有効だけど、ニキビ肌を改善するにはお肌のバリア機能を回復することと、皮脂を抑えることや角質を柔らかくすることが大切です。
薬の効きにくいニキビの治療例 西川先生の治療日記 |
この記事の監修医師
西川嘉一
Hirokazu Nishikawa
ニキビ治療のエキスパート。ニキビ・美肌・くまの専門家。東京大学医学部卒。
業界大手・銀座院長を経て、ニキビ専門皮膚科【アクネスタジオ】を開院。
一ケ月に1000人以上がアクネスタジオを訪れている。