ニキビにビタミンCの化粧水はなぜ効くの?
2016-06-24更新
肌をきれいにする成分の代表格「ビタミンC」そんなビタミンCはもちろんニキビ肌を治すのにもとても有効な成分です。
しかし中には「でもビタミンC配合の化粧水を使ったけど、あまり効果を感じなかった」という方も いるのではないでしょうか。
実はビタミンC配合化粧水にはいくつかの種類があり、「ビタミンCが肌にしっかり届くタイプ」と「そうでないタイプ」があります。
では、どこに注目すれば「肌にしっかり届くタイプのビタミンC」を見分けられるのか、 ニキビに効くとされるビタミンCがどのようなものなのかを解説します。
この記事の監修医師 アクネスタジオ 院長 西川嘉一 |
薬の効きにくいニキビの治療例 西川先生の治療日記 |
1.正しいビタミンCの化粧水選び
今では多くの化粧水の中でも、特に「ビタミンC」を含む化粧水は、 ニキビ対策として皮膚科学会などでもその有効性が報告されています。
しかし、ビタミンCを含む化粧水と言っても、 肌の弱い人、敏感肌の人の場合は、ヒリヒリするような刺激を感じることもあります。
なので刺激を感じる場合は、ビタミンC濃度の低い化粧水などに切り替える工夫も、 ニキビを早く改善させる方法にもなるのです。
2.ニキビにはビタミンCがなぜ効くのか
ビタミンCのすごい抗酸化作用
ニキビができ、赤みや炎症がひどくなってくるのは、 アクネ菌が出す活性酸素と、アクネ菌を倒すために免疫細胞(好中球)が出す活性酸素が原因です。
その活性酸素に対して「ビタミンC」はとても有効なのです。
ビタミンCが活性酸素を除去することができるため、炎症が起きにくい肌になるのです。
そしてビタミンCにより免疫が正常に戻り、アクネ菌の繁殖を抑えることもできます。
またビタミンCは皮脂の過剰な分泌を抑える作用もあるのです。
皮膚はビタミンCを吸収できない?
皮膚は、表から順番に角質・表皮・真皮となっています。
そのままのビタミンCだと肌の角質を覆っている皮脂で弾かれてしまうため効果は低く、 そのままビタミンCは皮膚の深いところまで浸透していきません。
肌の内側まで浸透されるためには単純なビタミンCではなく「リン酸ビタミンC」のような奥にとどくような形になることが重要です。
「ビタミンC誘導体」という言葉を聞いたことはありませんか?この「リン酸ビタミンC」がまさに「ビタミンC誘導体」の代表格です。
ニキビに効くビタミンC:APSやAPPSって何?
ニキビに効くビタミンCの成分としては、 「リン酸ビタミンC(リン酸アスコルビン酸Na、APS)」が有名です。
ビタミンCは、化学の分野では「アスコルビン酸」と呼ばれています。
他にも「リン酸型ビタミンC誘導体」にパルミチン酸を付加した、「APPS(アスコルビン酸リン酸パルミチン酸ナトリウム)」などは従来のビタミンC誘導体よりも、ニキビにさらに効果の高い特徴を持っています。
リン酸ビタミンC(APS)はニキビに効く
通常のビタミンCは角質にも浸透しにくかったですが、リン酸アスコルビン酸は通常のアスコルビン酸よりも皮膚から吸収されやすい成分です。
リン酸ビタミンCになることで角質、表皮、真皮に浸透していきます。
浸透した先で、リン酸が切り離されていき、ダイレクトにビタミンCが届きます。
それにより肌の内外の活性酸素を除去できるようになるのです。
3.ビタミンCのニキビへの効果
ビタミンCで炎症を抑えて、ニキビをなくそう
ビタミンCから期待できるニキビへの効果としては、赤く腫れてしまった濃い色のニキビの炎症を和らげる効果があります。
炎症の原因物質の活性酸素(ヒドロキシラジカルや次亜塩素酸など)を還元して、炎症を抑えます。
ニキビの始まりはアクネ菌が重要な役割を果たしていますが、赤ニキビが長引く原因は炎症です。
過剰な炎症が起きることで、免疫がアクネ菌を倒しにくい環境になってしまっているのです。
過剰な炎症を抑え、体がアクネ菌を倒しやすい環境にしましょう。
4.まとめ
ビタミンC(アスコルビン酸)は、 そのままでは肌への浸透性に欠けている為、その効果を十分に発揮できません。
そこで浸透しやすいように改良したものが、ビタミンC誘導体なのです。
ビタミンCを単体ではなく、ビタミンC誘導体として取り入れることで、 お肌によりダイレクトに働きかける効果が期待できるのです。
薬の効きにくいニキビの治療例 西川先生の治療日記 |
この記事の監修医師
西川嘉一
Hirokazu Nishikawa
ニキビ治療のエキスパート。ニキビ・美肌・くまの専門家。東京大学医学部卒。
業界大手・銀座院長を経て、ニキビ専門皮膚科【アクネスタジオ】を開院。
一ケ月に1000人以上がアクネスタジオを訪れている。