【ニキビ肌に乳液?】って、結局いるの?いらなの?皮膚科医が解説
2016-10-07更新
ニキビ肌にとって乳液は良いのか悪いのか、ネット内でも賛否が分かれています。
乳液を使ったことがある方なら、しっとりとした使い心地がオイリー肌には良くないのかなと感じている人もいるのではないでしょうか?
ニキビ肌に乳液は良いのか、悪いのか、検証してみました。
この記事の監修医師 アクネスタジオ 院長 西川嘉一 |
薬の効きにくいニキビの治療例 西川先生の治療日記 |
1.乳液の働き
水分の蒸発を防いでくれる
スキンケアは主に「洗顔→化粧水→美容液→乳液→クリームまたはオイル」の順で行われていることが多いです。
洗顔後はお肌が非常に乾燥するので、できるだけ早く化粧水で水分を補います。
化粧水で補われた水分もそのままでは、すぐに蒸発してしまいます。
お肌の水分が蒸発するときに、角質や表皮の一部が傷つきます。
それを防いで、水分を肌内部に閉じ込めるために使用するのが乳液やクリーム、オイルの役割です。
乳液を使用することにより、肌表面に乳液が膜のようになって作用し、肌から必要以上に水分が蒸発しないようにしてくれます。
2.乳液を使うのはニキビ肌にはNG?
乳液のオイルが問題?
乳液は水分の蒸発を防ぐためのオイルが含まれています。
このオイルがニキビに悪さをすると考えてしまう方も多いようですが、そうではありません。
ほとんどの乳液に含まれているオイルの量は少量であり、ニキビに影響を与えない程度のものです。
肌に合わないとニキビを悪化させる!
乳液でニキビ肌が悪化する人もいます。
敏感肌の方で、乳液を使うとピリピリするという症状が出る方に多いです。
乳液に含まれる成分に肌が過敏に反応すると、炎症を引き起こし、ニキビを悪化させます。
基礎化粧品の基本の一つと言われる乳液ですが、敏感肌の方で、乳液を使うとピリピリする方は、無理せず乳液を使わないようにしましょう。
3.ニキビケアの基本は保湿&清潔
オイリー肌のニキビには、過度な保湿は必要ありません。
しかし、乾燥、混合肌のニキビには保湿は必須です。
大人ニキビの8割以上は乾燥肌、混合肌タイプのニキビです。
大人の肌になると水分を保つ力が弱まってしまいます。
そして、肌は乾燥すればするほど、皮脂を分泌しようとします。
適切な保湿ケアを行わないと、皮脂が過剰に分泌され、ニキビができやすくなります。
キレイなお肌は、十分な水分と適切な皮脂でできています。
ニキビケアの基本は、「保湿&清潔」です。保湿というのは、水分と油分とのバランスがとても重要となります。
ですから、化粧水、乳液というステップは、ニキビ肌の人にも、ぜひ行ってほしいスキンケアの基本です。(乳液で肌が荒れる人を除きます。)
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洗顔は1日2回までおすすめ
ニキビを治す上で、皮膚を清潔に保つことは非常に大切です。
しかし、洗顔をしすぎると乾燥しすぎてしまいます。
洗顔→乾燥→皮脂分泌過剰→洗顔したくなる→洗顔→乾燥→皮脂分泌過剰の悪循環におちいります。
部活やスポーツなど土や汗で顔が汚れてしまう場合を除いて、洗顔は朝夕2回までにしましょう。
もちろん保湿は忘れずに。
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4.ニキビ肌の人の乳液の選び方
肌別に乳液の必要性が変わります。
乾燥ニキビに乳液はおすすめ!おすすめ成分は「セラミド」
おすすめ成分はセラミドです。
セラミドは天然保湿因子の一つで、保湿力が高く、ニキビに悪影響を与えません。
とくにヒト型セラミドがおすすめです。
セラミドを選ぶなら「ヒト型」&「高濃度」
セラミドにはヒト型セラミド、天然セラミド、植物性セラミド、合成セラミドの4種類があります。
その中でももっともおすすめなのは、私たち人間のセラミドとほぼ同じ「ヒト型セラミド」です。
また、セラミドの濃度も重要です。
セラミド含有の乳液であっても、セラミドの量が少なすぎると効果を実感できません。
セラミド含有を謳っていても、ほんの少ししかセラミドが入っていない基礎化粧品がたくさんありますのでご注意ください。
「高濃度」の「ヒト型セラミド」が入った乳液を選んで保湿をしましょう。
しっとりタイプの乳液がおすすめ
セラミド以外の注目ポイントは、使用感が「しっとり」した乳液を選ぶことです。
さっぱりしたものは使用感はよいでのですが、総じて保湿効果が低いです。
さっぱり系を使用していた方は慣れるまでしっくりこないかもしれませんが、「しっとり」系の乳液で高い保湿力を実感してみてください。
オイリー肌の人は乳液はおこのみで
乾燥のないオイリーだけの肌の人は乳液は必須ではありません。
しかし、オイリーだと感じている人の多くが、乾燥もある混合肌です。
混合肌ニキビに乳液は有効です。
なので、自分がオイリーだと感じている人も、一度はしっかり保湿をしてみて、ニキビが改善するか試してみましょう。
敏感肌ニキビに乳液NGのことも
乳液にをつけて肌にしみちゃう人は、乳液があっていません。
乳液は保湿だけでなく美容目的にさまざま成分が配合されています。
その成分がお肌に合わない人が多くいます。
乳液が肌に合わない場合は、乳液は使わないようにしましょう。
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5.まとめ
ニキビができやすい人でも、基本的には乳液で保湿をしましょう。
大切なのは、正しい選び方をするということです。
「高濃度のヒト型セラミド」などの「しっとりタイプ」の乳液を使いましょう。
また、皮脂コントロールを助けるためにもビタミンを摂取したり、生活習慣を見直すことも必要です。
ただし、思春期のニキビには乳液が合わないこともありますので、その場合はお肌の様子を見て、なるべく乳液の使用を控えてください。
特にひどいニキビの場合は、医療機関での治療も考慮したほうがよいでしょう。
最近では、ニキビ専用のアイテムも販売されていますので、ニキビができてなかなか治らないという人は、これらのものを利用するのもよい方法です。
薬の効きにくいニキビの治療例 西川先生の治療日記 |
この記事の監修医師
西川嘉一
Hirokazu Nishikawa
ニキビ治療のエキスパート。ニキビ・美肌・くまの専門家。東京大学医学部卒。
業界大手・銀座院長を経て、ニキビ専門皮膚科【アクネスタジオ】を開院。
一ケ月に1000人以上がアクネスタジオを訪れている。