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【肌断食でニキビケア?】肌断食のニキビへの効果と方法

思春期でもないのにニキビができてしまって治らない…。 仕事が忙しいので皮膚科に行くのはめんどくさいし時間もない…。 そんな社会人の方のニキビのお悩みが急増しています。 そんな方たちに今、話題のニキビケアの1つが「肌断食」です。
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2016-09-19更新

 

西川 ニキビ治療 皮膚科医この記事の監修医師
アクネスタジオ
院長 西川嘉一

 

 

先生4薬の効きにくいニキビの治療例
西川先生の治療日記

 

1.肌断食って何?

その名の通り「肌断食とは肌に何も与えない」ということをポイントにした肌ケア方法のことです。

ひとことで言うと「良い意味でスキンケアしない」ことです。

「正しくスキンケアしているのに日常的な乾燥・ニキビ・刺激などの肌トラブルを感じてしまう」という方も多いのではないでしょうか?

原因はさまざまですが、その1つに「過剰なスキンケア」があります。

肌もダイエットの理論と同じで「与え過ぎる」と調子を崩します。

「私、肌を甘やかしすぎてるかもしれない・・・」と思ったら、肌断食を試してみましょう!

スキンケアしないなんて不安!

「肌に何もつけないなんて…」と心配になる方もいるのではないでしょうか。

しかし過剰なスキンケアは逆に肌へ負担をかけてしまう可能性があるのです。

化粧品の成分はもちろん、ケアの方法によっては、肌のバリア機能を低下させてしまい、トラブルを引き起こしていることも考えられます。

またいろいろつけすぎて肌を甘やかしてしまうことが本来持っている肌力を衰えさせてしまうことにもつながるのです。

 

2.過剰なケアでニキビが悪化?

ニキビは、毛穴が角質でふさがれることから始まります。

毛穴が角質でふさがれ、皮脂が毛穴の外へ出ることができなくなります。

毛穴の中で皮脂がたまり、皮脂が大好物のアクネ菌が増殖します。

がんばる洗顔は逆効果!

ニキビの発生を防ぐためと角質をとるために力いっぱいこする洗顔は逆効果です!
肌のバリアが破壊されてしまいます。

1日に4回以上洗顔するのも肌のバリア機能を低下させてしまうので、普通の肌にはあいません。

肌バリア機能とは肌を外的刺激から守ったり、肌内部の乾燥しないように水分をキープする役割のことです。

この肌バリア機能は、肌表面にある「角質層」と「皮脂膜」が正常な働きがカギになります。

過剰な洗顔で正常な「角質層」や「皮脂膜」が失われると、肌バリア機能が低下して、外的刺激から肌を守れなくなるため、ニキビが繰り返しできやすくなってしまうのです。

 

3.肌断食で、肌バリア機能を取り戻そう

肌のバリア機能の低下を防ぐ方法はどうしたらよいのでしょう。

実は知っていれば、肌のバリア機能を守るのは簡単です!

1つは先ほど説明した「擦らないこと」です。

そしてもう一つは「保湿する」です。

肌表面が保湿され潤うと、肌のバリア機能が高まりターンオーバーが正常化されます。

すると毛穴をふさいでいた古い角質が自然にはがれ落ちていくためニキビを予防することができます。

バリア機能が高い状態を保つと、ニキビ菌の繁殖を防ぎすこやかな肌をキープしやすいです。

肌バリア機能を高めるために、「肌を擦らずに保湿」をしましょう!

 

保湿をするために、保湿しないの?

もっとも優れた保湿剤は自分の肌が作りだす天然保湿因子です。

しかし、過剰な基礎化粧品で甘やかされすぎていると天然保湿因子が充分量、自分の肌で作れなくなってしまいます。

肌本来の保湿力を向上させるため、あえて保湿しない!

それが肌断食です。

わざと「肌に何も与えずにいること」で、肌本来の機能を高めます。

一度肌をリセットしてから、シンプルな保湿方法で肌に潤いを与えると良いでしょう。

 

4.やってみよう肌断食

肌断食は肌をリセットさせることが目的です。
肌断食中はメイクをしないことが前提ですが、メイクをする場合は肌への負担が少ないジェルクレンジングあるいはミルククレンジングで落ちる程度のメイクにしましょう。
方法は2通りあります。

 

肌に自信がある人向け

とても簡単で「水洗顔(ぬるま湯洗顔)」以外に何も行わない、あるいは乾燥する場合のみワセリンを少しだけつけます。

 

肌に自信がない人向け

水洗顔(ぬるま湯洗顔)を行い、加えて基礎化粧品を1つずつ削っていきます。
化粧水・美容液・乳液・クリームと使用している方は、まずはクリームをワセリンに置き換えます。
3日試して、肌に支障がなければ、美容液をやめます。
同様に、3日試して、肌に支障がなければ、乳液をやめます。
同様に、3日試して、肌に支障がなければ、化粧水をやめます。
この時、ワセリンは肌が乾燥していない状態で塗るようにしてください。
洗顔後時間が立ちすぎると、肌が乾燥しすぎてしまい、肌トラブルの原因となります。
最後に、3日後、肌に支障がなければ、ワセリンもやめます。

 

肌断食の方法

  1. クリームをワセリンに置き換える
  2. 美容液をやめる
  3. 乳液をやめる
  4. 化粧水をやめる
  5. ワセリンをやめる

なかなかワセリンをやめるところまで到達できない人が多いですが、ムリは禁物です!!!!
肌に支障を来したら必ず中断して、一段階前に戻りましょう。
何年あるいは何十年もかけて今の状態が作り上げられているので、急にそのバランスを崩すと、肌の調子も悪くなる人が多いです。
長期の休みで、「一時的に肌が荒れても大丈夫!」というタイミングがあれば、肌に自信がある人向けのプランにチャレンジしてもいいでしょう。
現実的には、肌に自信がない人向けのプランの方が安心して始められるので、おすすめです。

肌断食は3日程度行い、またもとのケアに戻すと1週間程度で、格段に肌の状態が良くなっていることに気づくでしょう。
そのタイミングで肌の状態が良くなっていなければ、肌断食のときにムリがかかりすぎている証拠で、肌断食はしばらく控えましょう。

 

5.まとめ

肌にいろいろな成分を与え過ぎることがニキビの原因になっているなんて驚きですよね。
肌に与えたほうが良い成分やスキンケア方法は様々ありますが、与えすぎもトラブルの1つとなりうるので、バランスが大切です。
今までのケアでは改善が難しかった方や、たくさんのコスメを肌につけすぎていた方は一度自分に合った肌断食を試してみてはいかがでしょうか?
しかし、「肌断食を試してみてもニキビが改善されない。」「肌断食をしたら痒み・赤味が出た。」などの症状が出たら、ニキビの状態が悪化してしまうこともあるので、皮膚科に相談してみましょう。

 

6.肌断食が効かないニキビもある!

「肌断食を始めて最初はニキビが減ったけど、2週間目くらいから白のポツポツが増えてきた」

という方もいらっしゃいます。
最初は弱っていた肌が、肌断食によって、バリア機能を回復し、ニキビが減ってきたのでしょう。
しかし、皮脂の分泌の強い方は、その後、全体的にオイリーになることがあります。
結果として、肌断食単独では皮脂がしっかりと落ちずに、ニキビが増えてしまうことがあります。
特に思春期ニキビは皮脂分泌量過剰パータンが多く、水洗顔が無効な方が多いです。
皮脂分泌量は人により異なります。
肌断食単独でニキビがよくなる人もいれば、他の治療があっている人もいます。
2週間続けて、効果が見られなければ、ニキビ専門クリニックや皮膚科に相談しましょう。

 

7.肌断食で肌がガサガサになってしまったら。。。

肌断食で肌が荒れてしまう原因は、自分の力で保湿することができなくなっている証拠です。
無理せずワセリンなどの保湿剤で保湿をしてあげましょう。
急にすべての保湿因子を自分でまかなうことは難しいです。
なので、最初は無理せずワセリンに頼りましょう。
ワセリンを使いながら少しづつ、数ヶ月から数年スパンでワセリン減らしてけるといいですね。

ガサガサの状態は肌のバリア機能が落ちた状態です。
これを放置しておくと逆に、炎症や感染症が起きやすい状態になります。
ワセリンなどで保湿をするほうが肌に良いので、ムリは禁物です。

 

8.肌断食はニキビ跡には効果がない

肌断食でニキビが改善できる人はいますが、残念ながらクレーターへの効果は期待できません。
また肝斑などの一部のシミ・色素沈着に効果はありますが、ニキビ跡の色素沈着には効果はないです。

 

 

先生4薬の効きにくいニキビの治療例
西川先生の治療日記

 

監修医師

この記事の監修医師

西川嘉一
Hirokazu Nishikawa

ニキビ治療のエキスパート。ニキビ・美肌・くまの専門家。東京大学医学部卒。

業界大手・銀座院長を経て、ニキビ専門皮膚科【アクネスタジオ】を開院。

一ケ月に1000人以上がアクネスタジオを訪れている。