アクネスタジオ・西川先生インタビュー
はじめに
皮膚科を選ぶとき、皆さんは何を重視しますか?
高い技術力や料金、通いやすさなどがありますが、「どんな先生に診てもらうか」は特に大事なポイントですよね。「大切なお肌をこの人になら任せてもいい!」と思える先生に出会えるかどうかで、治療の安心感も大きく変わります。
とはいえ、お医者さんって、ちょっと近づきがたいイメージがありますよね…。
そこで、ニキビに悩める全女子を代表して、私ライターの佐々木が「アクネスタジオ」の西川先生に直撃インタビューを行いました!
美容皮膚科医になった理由
今日はよろしくお願いします。
さっそくですが、どうしてお医者さんになろうと思ったんですか?
実は、僕は最初経済学部に入学したんです。でも就職活動をするうちに、医学を通してよりおもしろいもの、楽しい生活を作り出すような仕事がしたいなと思ったんです。
頭が良くなる薬や、精神的に強くなる方法とか。それで医学部に再入学したのですが、思い描いていたことを実現するのは難しく、またしても仕事を考え直しました。
じゃあ何をやろうと考えたときに、自分が医学を選んだのは「普通の人がより良い生活を送るために医療で何ができるのか」に興味があるからだと気付きました。そこで、自分が一番やりたいことにヒットしたのが「美容皮膚科」でした。
普通の人が、日常生活の悩みを相談して解決できる場所であるところがおもしろいなと思ったんです。
美容皮膚科って、女性が多い分野じゃないですか。
そこには抵抗はなかったですか?
働く上では人に喜んでもらうことが重要だったので、性別は関係ありませんでした。医療の中で僕が思い描いていたものに一番近かったのが、美容皮膚科なんです。
そうなんですね。
これまで影響を受けた先生や、目標になる人はいましたか?
たぶん東大から美容に進む医師ってほぼゼロなんですよ。なので、影響を受ける先生はいなかったですね。その代わり、自分が新しい分野を切り開いていきたいなという気持ちはずっと持っています。
アクネスタジオの立ち上げ
アクネスタジオを立ち上げられた経緯を教えてください。
より良いニキビ治療を提供するために、ニキビ専門の「アクネスタジオ」をオープンしました。
ニキビの原因には、遺伝的な要因と生活要因があります。
皮脂が多い、乾燥しやすいなどの遺伝的な肌質も、治療である程度改善できますが、生活要因はみんなから少しずつ言ってもらわないと治らないんですよね。
だから、スタッフそれぞれが患者さんに向き合い、治療のサポートをする体制が必要なんです。
オープンから2ヵ月ほど(2017年3月現在)経ちますが、患者さんは多いですか?
オープンして1ヵ月は新規のお客さんが200人ぐらい来てくれたので、新しいクリニックとしては多いほうかと思います。おかげさまでさっそく手狭になりそうなので、今度渋谷に移転することにしました。
1日の過ごし方とプライベート
普段、かなりお忙しいのではないですか?
診療開始が朝10時なので、毎朝8時にはクリニックに行っています。そこから朝の準備をしてスタッフとミーティングをしたあと、診療に入ります。終わるのが夜の8時ぐらいで、それから家に帰ってご飯を食べて寝るというのが診療のある日ですね。診療がない日も仕事はあるので、事務所に来ることが多いです。
プライベートは何をすることが多いですか?
今はお休み自体そんなにないですが、休日は家で映画を見てのんびりすることが多いですね。アクネスタジオが始まるまえは時間があったので、スカッシュや水泳をやっていました。
スカッシュ!爽やかでイメージにぴったりですね。
患者さんとの向き合い方
患者さん、というか私なんですけど、初めてお医者さんと話すときは、かなり緊張します…。先生は、患者さんと向き合うときに気を付けていることはありますか?
病気だと、当然苦しいから治すわけですけど、ニキビには、それぞれの患者さんに治したい理由があるんです。その理由によって、治療方法は少しずつ変わってくるんですよ。
例えば、2ヵ月後結婚式がある人には、通常プランではなく、2ヵ月後に肌をベストの状態に持っていく治療法を選択します。
ほかにも、コンシーラーで隠せるレベルにしたい人には凹凸を抑えるメニューとか、その人に最も適した治療法をすすめるようにしています。
今でも印象に残っている患者さんはいますか?
毎週来ていた銀座のホステスの女の子ですね。その子は「私ここが気になるんだけど」って毎回同じところを指すんです。
医学的にはほとんど治療の必要がないんですけど、自分では気になる。むげに「何もしなくてもいいよ」だけだと、その子は悩んじゃうんですよね。
悩みを聞いて、医学的に何かしたほうがいいと思うことは提案しますし、何もしないで帰すこともありました。
なんだか、お医者さんじゃなくセラピストみたいですね。
そういう側面も強いと思います。
あと、就職活動でニキビがあると困るから、短期間で治したいと来院された方がいました。後日、「先生受かりました!」と報告しに来てくれたときはうれしかったですね。
それはうれしいですよね。先生と患者さんが近い距離感で接しているのが伝わってきました。
ニキビ治療の最新動向
今、注目されている新しい治療法はありますか?
プラズマです。プラズマは固体・液体・気体に続く第4の状態のことで、殺菌作用があるといわれています。当院にあるプラズマの機器を使えば、お肌に目に見えない穴を開けて、そこから薬剤を中に押し込むことで、薬剤の治療効果を高められるんです。
アクネスタジオでは、ほかにも海外の最新治療が受けられるそうですね。
そうですね。特に美容医療は新しいものが次から次へと出てくるので、常に情報を得ないと遅れていくんです。その中から、本当にいいものだけを選りすぐるのが美容皮膚科医の使命だと思っています。
想像以上にたいへんですね…。
新しい治療法が出たら、自分が使ってみて大丈夫だと思うものを治療に組み込んでいます。実際に使ってみると、予想と違うことも起きるんです。例えば、ホルモン療法のお薬だと、添付文書に小さく書いてある内容が重要な副作用だったりもしました。レーザーも痛みや効果、副作用の程度を自分かスタッフで必ず試すようにしています。
実際に試すことで、患者さんに対する説得力も上がりますね。
今後の目標
最後に、今後の目標を教えてください。
今後の目標は3つあります。
ひとつは、「ニキビ専用の化粧品を作ること」です。前々から患者さんの要望があったので、ニキビの人に最も適したものを研究しようと、今化粧品会社の人と検討中です。
もうひとつは、「アクネスタジオの患者さんの期待に応えること」です。まだ、始めて数ヵ月ですが、予約がどんどん入るぐらい、ニキビに悩んでいる方はたくさんいます。そんな方たちの希望を叶えられるように、体制を整えていければと思っています。
最後は、「東京以外の人にも治療を受けてもらうこと」です。地方に行くと、ニキビ専門のクリニックがほとんどないんですよね。普通の皮膚科で治らなかったらもう無理とあきらめてしまう人のためにも、全国各地にクリニックを出していきたいです。
お話、ありがとうございました。
まとめ
美容皮膚科は、もっと美しくなりたい女性にとって大切な場所。男の先生であるにもかかわらず、女性の気持ちを汲み、同じ目線で考えてくれる西川先生には頭が下がります。
先生によると、ニキビ治療には通常3~6ヵ月かかり、施術だけでなく生活習慣やスキンケアも大切とのことでした。自分のプライベートな部分をさらけ出すのは抵抗がありますが、「ニキビに詳しいスタッフさんが親身になってくれるなら長く付き合っていけそう!」と感じた今回のインタビューでした。
佐々木梢
1990年生まれ。
現在Web中心にライター(女性向け、ビジネス)や翻訳で活動中。いろんなおもしろい人に会って話を聞くのがライフワークです。大の甘い物好きで、脂性肌というニキビに悩めるお年頃。
この記事の監修医師
西川嘉一
Hirokazu Nishikawa
ニキビ治療のエキスパート。ニキビ・美肌・くまの専門家。東京大学医学部卒。
業界大手・銀座院長を経て、ニキビ専門皮膚科【アクネスタジオ】を開院。
一ケ月に1000人以上がアクネスタジオを訪れている。