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赤ニキビ ニキビ

【赤ニキビの原因&治し方】皮膚科医がわかりやすく解説

赤ニキビ ニキビ
赤ニキビに効くスキンケア・化粧水・予防法・市販薬や皮膚科の薬などを皮膚科医西川が解説します。
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2016-09-17更新

赤ニキビになったら、どうしたらよいのでしょうか?

 

西川 ニキビ治療 皮膚科医この記事の監修医師
アクネスタジオ
院長 西川嘉一

 

 

先生4薬の効きにくいニキビの治療例
西川先生の治療日記

 

私、西川が皮膚科医でなかったら・・・。

先生4

おそらくまずはスキンケア・生活の見なおしをします。
洗顔方法や食事・睡眠などをよりよくするためには・・・と考えると思います。
そして、それでもダメなら皮膚科に行きます。
でもやっぱり、皮膚科に行く前に、自分でできる事で治せたらうれしいですよね。
実際、軽度のニキビなら、スキンケアで良くなる人も多いです!(中度~強度のニキビは皮膚科で治しましょう。)

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また、市販薬あまりおすすめしていない理由は効果があまり期待できないからです。
市販薬だけでよくなる人なら、スキンケアや生活の見なおしだけで良くなる人が多いです。
もちろんある程度の効果があるので、悪くはないのですが、市販薬を買いにいくなら、いっそ皮膚科に行ってしまいます。

 

私、西川ならニキビケアはこう選ぶ、かも?!

先生2

何を重視してニキビケアをするかによって、ケア方法を選んでみてもいいですね。

 

【治したい気持ちと予定で選ぶなら・・・】

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〇とにかく絶対治したい ⇒ 皮膚科・美容皮膚科へ行く
〇とりあえずお手軽に ⇒ まずはスキンケア・生活の見なおし
〇皮膚科に行く時間がないけど、治したい ⇒ 市販薬

【手軽さで選ぶ?効果で選ぶ?】

〇お手軽さで選ぶ ⇒ スキンケア・生活の見なおし > 市販薬 > 皮膚科・美容皮膚科
〇効果で選ぶ   ⇒ 皮膚科・美容皮膚科 > スキンケア・生活の見なおし ≧ 市販薬

ですので、自分にあっているものをまずは試してみましょう。

 

【症状の重さで選ぶなら】

白ニキビ→『【白ニキビ】皮膚科医西川ならこうする。

赤ニキビ5個以内→『【軽症赤ニキビの原因&治し方】皮膚科医がわかりやすく解説

赤ニキビ6-20個→『【レベル2・中等症赤ニキビ(炎症性皮疹)の原因&治し方】皮膚科医がわかりやすく解説

紫ニキビ→『【重症ニキビ・紫ニキビの薬】アキュテインを皮膚科医がわかりやすく解説

 

 

1.ニキビのスキンケアを見直してみよう

スキンケア ニキビ

ニキビのできにくい肌へ導くスキンケアは決して難しかったり特別なことはありません。
ポイントを押さえれば今日から誰にでも出できるカンタンな内容です。
ぜひ参考にしてみてください。

 

洗顔は1日2回まで。

皆さんは1日に何回洗顔をしますか?
多くの方が朝・晩の2回のケースが多いです。
皮膚科医目線で見ても1日2回の洗顔は問題ありません。
ただ、ニキビができると、たくさん洗浄したほうがいいと考えてしまうまじめな方や、肌のテカリが気になるオイリースキンの方は、2回以上の洗顔を毎日していることがあります。
これは、皮膚にある必要な皮脂を落としすぎてしまったり、肌のバリア機能を低下させたりする原因になるのでお勧めしません。
また、一生懸命ゴシゴシこすって洗うのも同じ理由でNGです。

ニキビ 洗顔 泡立て

洗顔のコツは、

× 1日にたくさん洗顔する・しっかりとゴシゴシ洗う
〇 泡立てた洗顔料を顔にのせて、優しく洗う

なんです。
よく「泡洗顔が大切」という言葉や文字を目にしますが、あれは本当です。
泡は汚れを吸着する力を持っているので、こすらなくてもきちんと最低限の皮脂・汚れをOFFしてくれます。
お肌を傷つけないようにしながら、最低限皮脂を落としていきます。
さらに肌のバリア機能を守ることができるので、ニキビのできにくい肌へと育てることができるのです。

 ⇒もっと洗顔方法を知りたい方は『意外とカンタン!ニキビに効く洗顔の方法』をご覧ください。

 

保湿は必須!優しくたっぷり!

保湿 スキンケア

ニキビの方は、洗顔は頑張る方が多い一方、保湿をパスする方が多いです。
理由は「ベトつくから」という声がダントツで多いです。
しかしこれはNGなんです。
お願いですから保湿はたっぷりしてください。
実はむしろ、保湿をしないほうがお肌はベトつくことがあります。
肌は乾燥すると、うるおいを維持しようと皮脂を一生懸命分泌してしまいます。
洗顔後にニキビのできにくい保湿剤で保湿をしましょう。
肌が潤い、バリア機能も高まります。
おすすめはミネラルオイルやヘパリン類似物質です。

 ⇒もっと保湿方法を知りたい方は『【ニキビ肌に保湿】結局いるの?いらなの?』をご覧ください。

 

【ビタミンC誘導体に注目】APS、APPS(ビタミンC誘導体)化粧水はニキビに効く

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ビタミンCがお肌にいい!と一度は聞いたことがあるはず。
そのビタミンCは、ニキビを治す力もあるんです。
ビタミンCはニキビの炎症を抑える作用や、肌のターンオーバーを促進する効果があります。
ビタミンCは「ビタミンC誘導体」という形になると、肌への吸収率が上がります。
なので、化粧水を選ぶときは「ビタミンC配合」と書いてあるものよりも「ビタミンC誘導体配合」と書いてあるほうを選びましょう。
代表的なビタミンC誘導体は「APS」「APPS」などです。
それらが高濃度で入っているものがおすすめです。

 ⇒もっとビタミンC誘導体のことが知りたい方は『ニキビにビタミンCの化粧水はなぜ効くの?』をご覧ください。

 

汗をかいたら洗顔+保湿

運動 汗

スポーツなど汗をかいたり、顔に汚れがついてしまったら、早めに洗い流しましょう。
そのときも、しっかりと保湿を行うことが大切です。

 

おすすめの洗顔はダントツで低刺激

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混合肌・敏感肌・乾燥肌の方は低刺激系の洗顔料を使いましょう。
市販のものでは、NOV(ノブ)やキュレルがおすすめです。
ポイントは「必要最低限の成分で作られていること」です。
強力な洗浄成分や美容成分が配合させているものは避けましょう。
その成分が刺激になることがあります。

また混合肌・敏感肌・乾燥肌の方にはピーリング石けんはNGです。
オイリー肌の人のみ、ピーリング石けんを使ってもOKです。
ピーリング石けん後はもちろん保湿をしっかりしましょう。

 

ファンデーションはミネラルファンデーション

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ファンデーションはニキビになりにくい、ミネラルファンデーションがおすすめです。

 ⇒もっとニキビとミネラルファンデーションのことが知りたい方は『ニキビ肌に一番いいファンデーションって?』をご覧ください。

2.そして、ニキビのために生活を見直す

寝れてますか?睡眠って本当に大切なんです。

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生活の見直しは、まず睡眠を見直しましょう。
睡眠時間が短いと、ホルモンバランスが崩れて、皮脂の分泌が増えてしまいます。
徹夜明けって、不思議とテカテカしてしまう理由はソレです。
しっかり睡眠時間を確保できるよう頑張りましょう。

ストレス ニキビ

でも、寝付きの悪い夜もありますよね。
忙しい方・不安なことがある方に多く見られますが、そうでもない方も、寝れない夜はあります。
そんなときは、睡眠薬に頼ってみるのもいいかもしれません。
睡眠薬、聞くとちょっと抵抗を感じる方もいるかもしれませんが、上手に使えば睡眠時間を確保できるサポートをしてくれますよ。
寝付きが悪い人には、超短時間作用型のマイスリーなどという睡眠薬がおすすめです。
途中でおきてしまう方(中途覚醒)は、もうすこし長く作用するレンドルミンなどがおすすめです。

 ⇒もっとニキビ・睡眠と薬のことが知りたい方は『【ストレスによるニキビ】原因と対策』をご覧ください。

 

脂っこい食事。おいしてくてついつい・・・

食事 食べ過ぎ

おいしいものの誘惑って、困っちゃいますね。
ニキビ肌を改善するためにも、脂っこいものを控えるのは大切です。
しかしそうは言われても、難しいのが現実です。
そこで、おすすめなのがゼニカル(オルリスタット)という薬です。
この薬は、摂取した油分・脂肪の一部を体に吸収されないようブロックしてくれます。
使い方はカンタン。
油分の多い食事を食べる直前に1錠ポンと口に含んで飲み込むだけ。
簡単に効率よくオイルカットできるので、おすすめです。

 ⇒もっと食べ物とニキビの関係を知りたい方は『【牛乳・豆乳でニキビ悪化】』をご覧ください。

 

たくさん食べ過ぎてしまう。

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食事量を減らしたいけど減らせない。
そんなときはスムージに置き換えたりするのが有効です。
お薬でどうかできないのかと聞かれることがありますが、食欲を抑える薬はあります。
サノレックス(マジンドール)という薬やBBXというものです。
サノレックスは中枢神経を刺激して、食欲を抑える作用があります。
少し依存性のある薬なので、注意が必要です。
必ず医師と相談して処方してもらいましょう。
「薬をもらいに来るのが面倒」という方は、ちょっと頑張って、スムージーの置き換えですむといいですよね。

 

3.ニキビの市販薬を解説!

市販薬もニキビに有効です。

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テラ・コートリルには他の市販薬ではなかなか配合されていない抗菌薬成分:オキシテトラサイクリン塩酸塩が配合されています。
また抗炎症作用のあるヒドロコルチゾンも含まれていますので、ニキビを抑えるのに役立ちます。
ヒドロコルチゾンは長期使用で副作用がでるので、使用は短期間にとどめましょう。

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ペアアクネクリームWはイブプロフェンピコノールとイソプロピルメチルフェノールでニキビを抑えてくれます。

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ビフナイトはイオウとフェノールでニキビを抑えてくれます。

 

西川の考え

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私のクリニックに来てくれた方には、効果の面から市販薬をおすすめすることはありません。
しかし、クリニックにくるのが面倒な方には、やはり市販薬は多少効果が少なかったとしても、いい選択肢です。

 ⇒もっとニキビ・市販薬のことが知りたい方は『【赤ニキビの市販薬】テラ・コートリル』『【ニキビの市販薬ランキング】』をご覧ください。

 

4.ニキビのための皮膚科を解説!

保険診療(軽いニキビに)

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保険診療のニキビ治療は主に外用薬(塗り薬)と内服薬(飲み薬)です。
これは軽症の赤ニキビに有効です。
外用薬ではディフェリンゲル・ベピオゲル・デュアック・ダラシンTゲルなどが出されます。
また内服薬ではビブラマイシン・ミノマイシン・ルリッドなどが出されます。
医師に使い方をしっかり聞きましょう。

 ⇒もっとニキビ・皮膚科のことが知りたい方は『【ニキビで皮膚科】費用と選び方』『【皮膚科ニキビ治療】3分でわかる!やさしい保険診療ガイド』をご覧ください。

 

世界標準治療(重症ニキビに)

 

重症のニキビの治療は残念ながら保険診療ではカバーされていません。
内容はホルモン療法・アゼライン酸・イソトレチノインなどが効果的です。
ニキビの治療を専門的に行っているクリニックに相談してみましょう。

 ⇒もっとニキビの世界標準治療のことが知りたい方は『【ピルでホルモンレベルのニキビ治療】を皮膚科医がわかりやすく解説』『【ニキビの薬】アキュテイン(成分名:イソトレチノイン)解説』をご覧ください。

 

最先端医療(美肌ケア)

美肌

世界標準治療よりもさらに進んだ治療では、ニキビを治すだけでなく、「ニキビのない美肌」を目指します。
ニキビがないけどカサカサした肌、毛穴が開いた肌、くすんだ肌では嫌!という美意識の高い方にはおすすめです。
ケミカルピーリング・IPL光治療・PDT・プラズマなどがあります。
機器の種類によってはアクネ菌を殺菌できるものや、ニキビ跡の改善が期待できるものもあります。
肌の状態やお悩みにあわせて医師と相談して選びましょう。

 

5.どうして赤ニキビができるのか?(難しめ)

5-1.毛穴の角質が増えてしまう

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毛穴の出口付近(毛包漏斗部)は角質ができやすく、その角質(角化物)はその場にとどまります。
すると毛穴の出口が狭くなります。
こうなると狭くなる前は、外に出れていた皮脂も、出口が塞がれ、毛穴の中に溜まってしまいます。
最初は目に見えない大きさで、微小面皰と呼ばれます。
これが大きくなって、目に見えるようになったものがコメド(面疱)です。

 

5-2.毛穴の角質が増える理由

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〇遊離脂肪酸(アクネ菌が原因で増える物質)
〇男性ホルモン(5α-ジヒドロテストステロン dihydrotestosterone)
〇皮膚のバリア機能低下
〇汗・不衛生
〇紫外線
〇タバコ

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毛包漏斗部の角化異常(毛包の出口付近で角質が過剰にできるようになる)の原因は「アクネ菌が出すリパーゼが、皮脂の中性脂肪を遊離脂肪酸に分解し、この遊離脂肪酸が毛包漏斗部を刺激して、角化異常を引き起こすとがんがえられてきました。
最近では、インターロイキン-1α(IL-1α)が注目されています。
毛包漏斗部の物理的・化学的刺激(こすることや汗・不潔な状態など)、男性ホルモン、「リノール酸の欠乏→皮膚のバリア機能障害→IL-1α↑やサイトカイン↑→角化細胞の増殖・過角化」などが上げらます。

 

5-3.詰まった毛穴の中に皮脂がたまる!

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毛穴の出口が塞がれ、毛穴の中に皮脂がたまります。

 

5-4.毛穴の皮脂にアクネ菌が増殖

ニキビアイコン-赤ニキビ

酸素がなくても生きていけるアクネ菌P.acnesは、皮脂が大好きで、皮脂の多い部分に生息しています。
毛包内に皮脂がたまっている状態の白ニキビはアクネ菌が増えるには絶好の場所です。
皮脂とアクネ菌がコラボすると、炎症を引き起こす遊離脂肪酸が増えて、炎症が発生・悪化していきます。

 

5-5.炎症が起きる

赤ニキビ

アクネ菌(ニキビ菌)が中性脂肪を遊離脂肪酸に分解し、その遊離脂肪酸が皮膚に炎症を引き起こします。
他にもアクネ菌が作るプロテアーゼ(たんぱく質分解酵素)やヒアルロニダーゼ(ヒアルロン酸分解酵素)が皮膚に炎症をもたらします。

最近、よく耳にするようになった活性酸素が、ニキビの原因の一つです。
活性酸素はもともと、体の外から来た異物を分解するためのもので、白血球の一種の好中球などで作られています。
おどろくべきことに好中球は異物を食べます(これをファゴサイトーシスと呼びます)。
異物を食べたあとに好中球内で異物を分解するために活性酸素よく使われています。
しかし、アクネ菌(ニキビ菌)が作る遊離脂肪酸などの刺激で、過度に活性酸素が作られてしまうと、好中球の外にまで活性酸素がこぼれ出てきてしまいます。
そうすると、壊してはいけない私たちの体の細胞まで傷つけてしまいます。
少しの活性酸素であれば、それを分解してくれる酵素が体内にあるので対応できます。

ニベアでニキビを治せるの?

しかし、大量の活性酸素が発生してしまうと、私たちの体の細胞が傷つくことになります。
活性酸素を抑えてくれるお薬が、赤ニキビの治療で活躍しています。
ミノマイシン(テトラサイクリン系)やルリッド・クラリシッド(マクロライド系)などは、抗菌薬なのですが、好中球の作る活性酸素を少なくしてくれる作用も持ちあわせており、ニキビ治療で処方されることがあります。
かわりだねで、アクネ菌(ニキビ菌)に効かない抗菌薬なのですが、活性酸素を少なくしてくれるメトロニダゾールやレクチゾールもニキビに使われることもあります。

さらにアクネ菌(ニキビ菌)は活性酸素を作る好中球を呼びよせる好中球遊走化因子も出していて、角栓(面皰)のでききた毛穴に好中球を呼び寄せます。
その好中球が活性酸素作ることで炎症が起きて、赤ニキビになります。

 

 

先生4薬の効きにくいニキビの治療例
西川先生の治療日記

 

監修医師

この記事の監修医師

西川嘉一
Hirokazu Nishikawa

ニキビ治療のエキスパート。ニキビ・美肌・くまの専門家。東京大学医学部卒。

業界大手・銀座院長を経て、ニキビ専門皮膚科【アクネスタジオ】を開院。

一ケ月に1000人以上がアクネスタジオを訪れている。