【黄色ニキビ(膿疱・化膿ニキビ)の原因&治し方】皮膚科医がわかりやすく解説
2016-11-13更新
黄色ニキビは、ニキビの中ではかなり悪化している部類のニキビです。
一刻も早く、正しい治療をしないと、更に悪化したり、ニキビ跡(クレーター)や色素沈着になるリスクが高いです。
ここでは黄色ニキビの特徴や正しい治し方を説明します。
この記事の監修医師 アクネスタジオ 院長 西川嘉一 |
薬の効きにくいニキビの治療例 西川先生の治療日記 |
ニキビは育つ?黄色ニキビとニキビの種類
黄色ニキビとは「ニキビの末期」の状態の1つです。
ニキビは症状が進行していくごとに色が変わります。
そのため、症状により色がついた名前で呼ばれます。
症状が進行していくと(悪化していくと)このような色になっていきます。
白ニキビ(白)
⇓
赤ニキビ(赤・オレンジ)
⇓
黄色ニキビ(黄色~オレンジ)
⇓
紫ニキビ(黒っぽい紫)
黄色ニキビは重症ニキビの1つであり、毛穴の内部の炎症がかなり進行している状態です。
この炎症は毛穴内でアクネ菌や黄色ブドウ球菌などの常在菌が過剰に増殖してしまい起きたものです。
黄色ニキビは、かなりデリケートな状態で、不用意に触ったりするだけでもクレーターや色素沈着が残りやすい為、とてもやっかいなものです。
この状態になったら、スキンケアで治すことや、自分で潰すことは絶対にやめましょう。
かなり高い確率でニキビ跡になってしまいます。
各ニキビの症状と特徴
まず、各症状(色)のニキビとその特徴はどのようなものなのでしょうか。
美容皮膚科医の西川が、各ニキビの特徴を下記のように分類わけをしてみました。
〇白ニキビ
毛穴の出口(毛孔)が角質で詰まってしまい、毛穴の中に皮脂が溜まってしまった状態
〇赤ニキビ
白ニキビのときに毛穴の中に溜まってしまった皮脂の中に、皮脂が大好きなアクネ菌が増殖して、炎症を引き起こした状態
〇黄色ニキビ
赤ニキビで増えてしまったアクネ菌を倒すために白血球があつまり、白血球が膿にとなってしまった状態
(黄色ニキビの膿は、アクネ菌と白血球の死骸)
症状や色はニキビの悪化具合のサインとなります。
ニキビが黄色ニキビに悪化してしまったら、それは、ニキビの内部は肌にとってかなりマイナスな状態です。
すぐニキビを治すための対策をとることをお勧めします。
黄色ニキビを治すには?
黄色ニキビを治すための一番の近道は、ニキビ専門皮膚科で治療を受けることです。
残念ながら、黄色ニキビは、スキンケアや市販薬などを使って行うホームケアではなかなか上手に治すことができません。
強いて言えば「上手にニキビを潰す」とこです。
黄色ニキビは上手に内部に溜まっている膿を排出すると、早く治ります。
しかし、家で潰すと消毒が不十分だったり、抗生物質が使えなかったりするので、ニキビ跡になってしまっている人が多くいます。
つまり、上手につぶせない人が多く、結果的にニキビ跡になるようなケアをしてしまっているのです。
そのため、私はニキビを自分で潰すという方法は推奨していません。
黄色ニキビの治療
黄色ニキビの治療のポイントは3つです。
〇アクネ菌を抑える治療
〇炎症を抑える治療
〇ニキビそのものをできにくくする治療
上記3つの治療を、その方の症状や肌質に応じて上手に組み合わせて行うことが多いです。
では、3つの治療の特徴を説明します。
アクネ菌を抑える治療
① 抗生物質
抗生物質を使ってアクネ菌の増殖を抑制する治療です。
抗生物質は飲み薬(内服抗菌薬)と、塗り薬(外用抗菌薬)の2種類あり、併用されることが多いです。
抗生物質の詳しい記事はコチラ
⇒【ニキビの薬】抗生物質をわかりやすく解説
② IPL
IPLとは、「intense pulsed light (インテンス・パルス・ライト) 」の頭文字をとった略語です。
IPLは俗にいう「光治療」でよく使用されます。(光治療とは、特殊な光を照射して、シミやニキビを改善する治療のことです。)
IPLをニキビにあてると、アクネ菌(ニキビを悪化させる常在菌)を殺菌し、ニキビを改善してくれます。
特に赤ニキビ・黄色ニキビのある方はIPL治療に向いています。
IPLの詳しい記事はこちら
⇒【ニキビの治療】IPL(光治療)をわかりやすく解説
炎症を抑える治療
ステロイド注射
ステロイドという薬剤は、炎症を抑える効果があります。
黄色ニキビや紫ニキビがある場所に直接ステロイド薬剤を注射することによって、炎症を抑えます。
このステロイド注射は良い作用もある反面、皮膚に悪い作用もあります。
〇 良い作用・・・ニキビの炎症を早く抑える
〇 悪い作用・・・皮膚や脂肪が薄くなり、注射した部分が凹んでしまうことがある
悪い作用をみると、一見びっくりすると思いますが、そもそも盛り上がっているニキビ(黄色ニキビや、紫ニキビの多くが盛り上がっています)は、盛り上がりが早急に引くので調度いいのです。
気を付けなければならないのは、平らなニキビです。(皮膚が凹む(皮膚陥凹)ことがあるため)
ステロイド注射をおこなう場合、ニキビの状態をきちんと理解して、ステロイドの濃度を適切に調整し、注意深く注射する必要があります。
ニキビ専門皮膚科の医師の説明よくを聞いて、治療をスタートしてください。
ニキビそのものをできにくくする治療
ディフェリンゲル
ディフェリンゲルの詳しい記事はコチラ
⇒【ニキビの薬】ディフェリンゲルをわかりやすく解説
ベピオゲル
ベピオゲルの詳しい記事はコチラ
⇒【ニキビの薬】ベピオゲルをわかりやすく解説
ケミカルピーリング
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⇒【ニキビの治療】ケミカルピーリングをわかりやすく解説。
PDT(光線力学療法)
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⇒【ニキビの治療】PDT光線力学療法をわかりやすく解説
ホルモン治療
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⇒ホルモン治療をわかりやすく解説
イソトレチノイン(アキュテイン)
イソトレチノイン(アキュテイン)の詳しい記事はコチラ
⇒イソトレチノイン(アキュテイン)をわかりやすく解説
漢方(十味敗毒湯)
ニキビ治療のための漢方の記事はコチラ
⇒【ニキビの薬】漢方・十味敗毒湯をわかりやすく解説
正しいスキンケア・生活の見直しは黄色ニキビ治療を応援してくれる!
黄色ニキビを治す方法は、主にニキビ専門皮膚科による治療ですが、皮膚科治療、正しいスキンケアすることはとても大切です。
正しいスキンケアの方法はいたってシンプルなので、この機に試して習慣にしてみましょう。
ニキビ肌へのスキンケアを見直そう!
刺激少なめのクレンジング・洗顔を♪
ニキビ肌に刺激が大敵!とにかく使用するスキンケアアイテムは低刺激なものにしましょう。
また、クレンジング剤や洗顔料を肌にゴシゴシこすりつけて洗うのは絶対NGです。
クレンジングは撫でるくらいの力加減で行いましょう。
洗顔料はしっかり泡立てて「泡洗顔」を行い肌への負担をフリーにしてあげましょう。
正しいクレンジング・洗顔の方法の詳しい記事はコチラ
⇒ニキビ肌のためのクレンジング方法
⇒ニキビ肌にお勧めのクレンジングの種類
ニキビ肌にこそ潤いを!たっぷり保湿はマスト♪
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しかしそれは大きな間違いです。
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(バリア機能とは、肌が持つ外的刺激(UV・乾燥・摩擦など)から守る力の事)
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薬の効きにくいニキビの治療例 西川先生の治療日記 |
この記事の監修医師
西川嘉一
Hirokazu Nishikawa
ニキビ治療のエキスパート。ニキビ・美肌・くまの専門家。東京大学医学部卒。
業界大手・銀座院長を経て、ニキビ専門皮膚科【アクネスタジオ】を開院。
一ケ月に1000人以上がアクネスタジオを訪れている。